8/19/2007 0 Comments 第89回全国高等学校野球選手権大会12(2007年夏)第12日準々決勝 大会第12日 8月19日(日)の試合結果 ―準々決勝― ①佐賀北4×-3帝京(延長13回)②広陵7-1今治西 ☆今日の本塁打・・・佐賀北・副島(大会第20号) ☆今日の甲子園!☆ 準々決勝最初の2試合が行われた第12日。8強の戦いの幕開けは壮絶な延長戦となり、炎天下の甲子園は沸いた。また第1試合終了後には準決勝の組合せ抽選が行われた。 第1試合は、佐賀北と帝京の対戦。佐賀北は3番副島の本塁打等で序盤に3点を奪ったが、帝京も2回に1点を返し、4回に6番長田の適時2塁打で2点をと取り追いついた。以降は両校投手陣が好投し、延長に入った。延長に入っても一進一退の攻防が続いたが、佐賀北が13回裏、2死からの3連打でサヨナラ勝ちし、3時間12分の熱戦を制した。佐賀北は6回から先発・馬場を救援した久保が要所でスライダーが冴え無失点リリーフ。今大会の連続無失点イニングを27に伸ばした。帝京も3回から登板した垣ヶ原が好投し反撃を待ったが、延長に入ってからの2度のスクイズ失敗が痛かった。佐賀北・久保、帝京・垣ヶ原の投げ合いや両校守備陣の好守等が随所にあり、見ごたえのある好試合だった。佐賀北は初のベスト4進出。 第2試合は、広陵と今治西の対戦。広陵が今治西の好投手・熊代を中盤以降攻略。10安打で7得点し快勝した。広陵は4回に5番山下、6番林の連打で2点、5回は櫟浦、土生の適時打で2点、7回にも2安打に相手守備の野選等で好機を広げ3点を加えた。広陵エース・野村は、8回被安打9で12奪三振。再三走者を背負ったが要所を締めた。今治西は、初回エースで4番の熊代の2塁打で先制。その後も9安打を放ったが好機で野村にかわされた。熊代も連戦の疲れか、中盤に広陵打線につかまった。広陵は40年ぶりのベスト4進出。 ☆今日のKAIスポ・コラムは?!☆ ここまで完勝続きの東の横綱がまさかの敗退!甲子園のこわさがまた縦縞を襲った!! ☆大会第13日 8月20日(月)の試合予定☆ ―準々決勝- ①長崎日大-楊志館 ②常葉菊川-大垣日大 ☆大会第14日 8月21日(火)の試合予定☆ ―準決勝― ①常葉菊川・大垣日大の勝者-広陵 ②佐賀北-長崎日大・楊志館の勝者 魔物は棲む ( 帝京 ) これが甲子園の魔物なのか? 接戦の多い今大会。多くの試合を甲子園で視察した中で、最も優勝に近いチームは帝京と考えていた。 3回戦までの3試合で走攻守3拍子揃ったレベルの高さを見せていたからだ。 投手力では、智弁学園を完封した安定感抜群の左腕エース・垣ヶ原、選抜で20奪三振の右の本格派・大田、そして最速148キロで神村学園戦を完投した2年生・高島と他校ではエース級の投手が三枚。守ってはここまで3試合で失策1の堅守。 打撃では、高校通算60本塁打の中村を中心に3試合連続二桁安打。1試合平均7得点。伝統的にパワフルな長打力の印象が強い打線だが、機動力を存分に絡めコンパクトな振りでチームバッティングでつないでいく。3試合で三振はわずかに1個は驚異的な数字だ。 また、そんな高い技術に加え、昨夏、ベスト8で智弁和歌山に喫した逆転負け、今選抜準決勝での1点差負けの雪辱を期すべく挑んだ今大会に精神的な強さが備わっていると考察したことも大きい。 帝京は、戦前の前評判の高い学校が入った死のゾーンを勝ち上がって今日の準々決勝を迎えた。 帝京と佐賀北の両校のこれまでの戦いを見てきた私も、大方の評論家やマスコミも帝京優勢を予想していた。いや、帝京のワンサイドゲームを予想する向きも多かったはずだ。 そして今日の帝京もこれまでと同様、垣ヶ原の好投、無失策、二桁の12安打と勝つべく要因は揃っていた。しかし、延長13回の激闘とは言え、佐賀北に敗退した。なぜ負けたのか? 今日の試合でこれまでと違うのは3試合で1個しか奪われていない三振がこの1試合では8つ奪われたこと。しかも直球が140キロに満たない佐賀北投手陣にだ。 ではなぜ三振を喫したのか?明確な答えはうかばない。ただ一つだけ言えることは、これまで帝京打線が順調に奏でてきた打撃の“旋律”を佐賀北投手陣が奏でた投球の旋律が微妙にその音感を狂わたこと。いや狂わせるタイプの旋律だったことと言った方が正しいか。 高校野球、特に甲子園は、時として明確な理由付けが困難な結末を迎えることがある。それが高校野球であり、甲子園なのだろう。 (了) 甲子園には魔物が棲む。
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AuthorHidefumi Kai Archives
November 2022
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