4/4/2007 0 Comments 第79回選抜高等学校野球大会(2007年春)編集後記 大会を終えて ~ 銀傘の陰から ~
第79回選抜高等学校野球大会が昨日幕を閉じました。今大会は、決勝戦に代表されるように接戦が多く、また初出場校、新鋭校、特別枠校の活躍が目立った大会となり、夏の甲子園とは違い、センバツ特有の盛り上がりを見せました。 今大会の観客動員数は41万5千人で昨年の39万人を上回りました。注目度の高かった大阪桐蔭・中田選手や緊迫した試合が多かったことが要因でしょう。テレビでみると空席の目立つ感のあるセンバツですが、早朝からファンは駆けつけ、現地での熱気、盛り上がりは伝統ある大会であることを感じました。 さて、今コラム最後の配信となります今日は甲子園視察時のエピソードを紹介します。 3月31日大会第9日の準々決勝第1試合大阪桐蔭対常葉菊川戦。ネット裏からスコアブックをつける私に某スポーツ紙の記者が私をスカウトと勘違いし話しかけてきました。否定するとその記者は残念そうに席に戻りました。中田選手の記事をスカウトのコメントを添えて書きたったのでしょう。 続く第2試合の熊本工対室戸戦。私のとなりの席にすわった40歳くらいの男性が熊本工の選手を指し「この選手はいいですよ」と。聞けば、熊本から20年ぶりに甲子園を訪れたそうです。今年の熊本工の印象を話しあった後、私が愛媛県出身だという話をすると、第78回夏の甲子園決勝で松山商がサヨナラ犠飛と思われた3塁走者を右翼手が捕殺し、熊本工を下したあの「奇跡のバックホーム」に話題が移りました。彼は「あれはセーフだ」と言い張りましたが、私は「ビデオで何度も見たがあれはアウトだ」と応戦しました。どうやら熊本県民はあの決勝での敗戦から、学校だけでなく郷土全体で甲子園優勝への思いを熊本工に託しているように感じました。そんな時、耳に飛び込んできたのが対戦相手の室戸アルプスの大応援。これが高校野球であり、甲子園なのだと実感しました。 閉会式で脇村高野連会長が、「高校野球は郷土と一体となって育まれる」という言葉が印象に残りましたが、まさに“郷土が若人を全国舞台に送り出す”、そんな雰囲気が甲子園という舞台にはあるのでしょう。 最後に今回もKAIスポ・第79回春のセンバツコラムをご購読頂いた読者の皆様に厚く御礼申し上げます。季節の変わり目ではございますが、お体ご自愛頂き、ますますご発展されますことを切にお祈りいたしております。また夏の甲子園でお会いしましょう。 -2007年4月4日 KAIスポーツ新聞社・春のセンバツ取材班-
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4/3/2007 0 Comments 第79回選抜高等学校野球大会12 (2007年春)決 勝大会第12日 4月3日(火)の試合結果 ―決 勝― ①常葉菊川6-5大垣日大 今日の本塁打・・・常葉菊川・町田(ソロ・大会第9号)、常葉菊川・中川(ソロ・大会第10号) ☆今日のKAIスポは!?☆ 48年ぶりの東海勢同士の対戦となった第12日決勝。春の王者を決める決勝戦も今大会を象徴する接戦となった。 【戦評】 前半優位に試合を進めたのは大垣日大。常葉菊川先発・戸狩の立ち上がりを攻め、2回までに4点を奪った。しかし、常葉菊川もすかさず1回裏の町田、2回裏の中川の本塁打等で3点を返し、1点差で後半に入った。 6回表大垣日大は森田の適時打で1点追加し2点差としたが、追いすがる常葉菊川は、7回に長谷川の適時2塁打で1点差にせまった。さらに8回裏石岡の適時打で同点としたあと高野の適時打でさらに1点追加し逆転。常葉菊川が終盤にきてこの試合初めてリードした。9回表は2回から登板したエース田中が大垣日大を抑え、常葉菊川が6対5で勝ち、選抜2回目にして初優勝を飾った。 静岡県勢の選抜優勝は昭和53年第50回大会の浜松商以来29年ぶり4回目。大垣日大は、希望枠校らしく堅守で勝ちあがってきたが、今日は2つの失策が失点に結びついたのが痛かった。今日のKAIスポは、『決勝戦・特別コラム』!。 ☆常葉菊川 優勝までの軌跡☆ 1回戦・2-1仙台育英 2回戦・10-0今治西 準々決勝・2-1大阪桐蔭 準決勝・6-4熊本工 決勝・6-5大垣日大 ~ 球春、球運のクライマックス! (決勝戦・特別コラム)~いきなり劣勢を強いられた常葉菊川。初回、先発・戸狩がつかまり2失点。動揺した投手陣は2回にも2点を許す。常葉菊川の描く展開予想は早くも修正を余儀なくされた。しかし、コツコツと得点した大垣日大と違い、常葉菊川の得点シーンは本塁打。端的で最も強烈なインパクトを2発浴びせることで、前半の劣勢も心理状態は五分へと戻した。 一番の激戦ゾーンから決勝まで勝ち上がった常葉菊川と初出場で快進撃を続けてきた大垣日大。絶頂でぶつかった両校の勢いも決勝戦という特別な1試合の中で、見えない流れという綱引きが一方でノイズを生じさせ、一方で勢いそのままのリズムを刻み始める。 常に追いかけられる展開におかれてきた大垣日大は少しずつ追われるものの重圧と突き放しきれないもどかしさがボディブローのように効いてくる。これまで手堅い守りが持ち味の大垣日大が失策というこれまで“聴いたことのないノイズ”が生じ始めた。希望枠出場の大垣日大にとって、この春守りのミスの軌道修正は経験がない。しかも勝利目前だった8回裏の逆転にもはや立て直す時間は残されていなかった。 逆に常葉菊川の終盤の逆転劇はこの大会経験済み。常連校ばかり4校を撃破した勢いは最後まで衰えず、ウィニングボールを投げた常葉菊川の遊撃手のショートバウンドさえもファーストミットにおさまった。大垣日大の一縷の望みさえ簡単に退けた。 (了) 優勝校・常葉学園菊川高校。
1972年創立、1978年野球部創部の私立校。過去春1回、夏1回の甲子園出場は共に初戦敗退。甲子園未勝利の学校が甲子園初勝利はおろか、相次いで強豪を倒した見事な優勝劇だった。 4/2/2007 0 Comments 第79回選抜高等学校野球大会11(2007年春)準決勝大会第11日 2007年4月2日(月)の試合結果 ―準決勝― ①常葉菊川6-4熊本工 ②大垣日大5-4帝京 今日の本塁打・・・0 ☆今日のKAIスポは!?☆ 準決勝が行われた第10日。決勝進出をかけた白熱の2試合が行われた。 第1試合は1点を追う常葉菊川が9回長短3安打を絡め3点をとり逆転。最後はロングリリーフの戸狩が熊本工の反撃を抑え初の決勝進出を決めた。熊本工は9回隈部に代わった藤本が常葉菊川打線につかまった。 第2試合は初回いきなり2点を先制された大垣日大はその裏、帝京投手陣の不安定な立ち上がりをとらえ、2四球と3安打で4点を取り逆転。その後も2点を加え逃げ切った。帝京は、2点を先制し、3回、7回と1点づつ加点し追い上げたが、後一歩及ばなかった。大垣日大は初出場で初の決勝進出。 明日の決勝は常葉菊川と大垣日大の東海対決。東海勢の決勝戦は、昭和34年第31回大会の愛知・中京商対岐阜商以来48年ぶり。このときは中京商が3対2で勝っている。また常葉菊川が勝てば静岡県勢29年ぶり、大垣日大が勝てば岐阜県勢67年ぶりの優勝が決まる。 今日のKAIスポは、選手と監督のそれぞれの『夢叶うまであと1勝!』。 大会第12日 4月3日(火)の試合予定 ―決勝― ①常葉菊川-大垣日大 ~ 夢叶うまであと1勝! (静岡・常葉菊川)~ 2回目のセンバツの常葉菊川にして、決勝までに倒したチームは仙台育英、今治西、大阪桐蔭、熊本工と蒼々たる顔ぶれ。そんな新鋭校を率いるのは、甲子園の頂きを知る森下和幸監督(45)だ。決勝の相手、大垣日大の阪口監督が監督としてセンバツ優勝経験をもつのに対し、この森下監督は選手としてセンバツ優勝経験を持つ。森下監督は、昭和53年第50回大会に浜松商の主将として優勝を経験している。この大会の浜松商は初出場で初優勝の快進撃だった。常葉菊川は出場2回目ではあるが、その指揮官は優勝の喜びを知る反面、自身がそうだった様に初出場の勢い、恐さを知る。ここまで、大物食いをみせてきた常葉菊川も、優勝のかかる大一番の相手はこれまでと打って変わる初出場校。強豪倒した選手の自信と選手として春の頂きと初出場校の恐さ知る監督との最後の共闘、決勝戦。森下監督が果たして以来、静岡県勢29年ぶりの夢叶うまであと1勝だ。 (了) ~ 夢叶うまであと1勝! (岐阜・大垣日大)~ 希望枠出場で決勝まで勝ち進んだ大垣日大。率いる名将・阪口慶三監督(62)は、3年前愛知の名門東邦を定年退職し、大垣日大の監督に就任した。それまで甲子園にほど遠かった学校にベテラン監督を慕って今の選手達が集まった。東邦の監督としてセンバツは優勝1回、準優勝1回がある。準優勝した昭和63年第60回大会決勝戦は古豪東邦が愛媛・宇和島東に初出場初優勝の快挙を許す一戦となった。62歳にしてスクイズを失敗した選手を叱った当時を後悔する。そんな反省から今大会は笑顔で選手を激励し続けている。名将を慕って未だ甲子園に出場経験のなかった学校を選んだ選手達。今度は初出場初優勝を目指す立場に立ったベテラン監督。夢叶うまであと1勝だ。 (了) 春はセンバツから
⚾️KAISPO❗️ KAISPO高校野球 『銀傘の陰から』 https://profile.ameba.jp/ameba/kaispobaseball KAISPO高校野球 twitter https://twitter.com/kaispo818 4/1/2007 0 Comments 第79回選抜高等学校野球大会10(2007年春)準々決勝大会第10日 4月1日(日)の試合結果 ―準々決勝― ①帝京7-1広陵 ②大垣日大8-1関西 今日の本塁打・・・帝京・中村(ソロ・大会第7号)、帝京・杉谷翔(満塁・大会第8号) ☆今日のKAIスポは!?☆ 準々決勝残り2試合が行われた第10日。今日でベスト4が出揃った。 第1試合は1回に中村のソロ本塁打、杉谷翔の満塁本塁打を含む6安打の猛攻で6点を奪った帝京が、投げては、背番号10の左腕・垣ヶ原が6安打1失点の好投で快勝。優勝した64回大会以来15年ぶりのベスト4進出を決めた。杉谷翔の満塁本塁打は大会史上17本目。広陵・エース野村は、2回以降は走者を出しながらも1失点に凌いだが、打線が沈黙した。 第2試合は希望枠出場の大垣日大が、初回に平野の3塁打等で3点を先制。5回にも3連打を絡め4点を追加する等効率よく得点を重ね大勝。初出場で4強入りを決めた。希望枠出場校の4強は初めて。関西は8安打を放ったものの、粘投する大垣日大・エース森田を捉え切れなかった。 今日のKAIスポは、『4強の風!』。 大会第11日 4月2日(月)の試合予定 ―準決勝― ①常葉菊川-熊本工 ②帝京-大垣日大 ~ 4強の風 (ベスト4の顔ぶれ)~ 常連校と好投手食いなら新鋭・常葉菊川。 センバツ2回目ながら仙台育英・佐藤、今治西・熊代、大阪桐蔭・中田打ちは見事。準決勝の相手はまたまた常連校・熊本工。甲子園に現れたニュー縦縞が今大会、相手が常連校であれば勝つジンクスを完成させるか。 伝統の強打から一新、機動力なら熊本工。 1番藤村、2番加久の俊足コンビが相手投手をかく乱する。伝統校もセンバツの決勝となれば初めての快挙。熊本発優勝行特急に停車駅はない。 元祖縦縞、強打の帝京は今年も健在。 3試合連続2桁安打の打線、大田・垣ヶ原の左右の二枚看板に今年は機動力も加わり、死角なし。容赦ない集中攻撃は昨夏奇跡の敗退から学んだもの。15年ぶりの大旗獲りで昨夏無念のうっ憤はらす。 唯一の初出場の4強入りが光る大垣日大。 希望枠での4強も初。優勝経験のあるベテラン阪口監督は今日の試合後、無邪気にガッツポーズを連発。初めての選手と甲子園を知る監督が世代を超えて乗ってきた。希望枠校の希望叶うまであと2つ。 (了) 春はセンバツから
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AuthorHidefumi Kai Archives
November 2022
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