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高校野球「銀傘の陰から」



​From the Shade of the Silver




​Umblella in Koshien Stadium

8/23/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会(2008年夏)

編集後記 大会を終えて

                    ~ 銀傘の陰から ① ~
 
 8月18日、第90回全国高等学校野球選手権記念大会が無事に閉幕しました。今大会も連日視察しましたが、この甲子園大会が90回もの歴史を刻むにふさわしい熱戦が繰り広げられ、すばらしい感動を与えてくれました。
 今大会の総入場者数は、89万人となり、昨年の77万人を大幅に上回り、過去10年で最多となりました。今大会は、出場校が55校に増え、日程が17日間に渡ったことが要因でもありますが、球場のリニューアルによって内野席が3500席少なくなったことも考えると、80回記念大会の89万5千人をも上回ったことは確実でしょう。

 
 18日に行われた決勝戦は、今大会を象徴するような打撃力を武器に大阪桐蔭がその投打にわたる実力を発揮し17対0という記録的大差で優勝しました。大阪桐蔭はここ数年、平田(中日)、辻内(巨人)、中田(日本ハム)といったスターを輩出しており、今回の選手達は、昨秋の大阪大会でコールド負けする等、実力不足を指摘されたいわゆる谷間の世代と評されていました。しかし、彼らは、自分達は先輩達とは違う乏しい力量を見極め、血の滲む努力を繰り返したそうです。「努力できることが才能」とはよく言われますが、まさに努力で掴んだ全国制覇だったのしょう。
 私も、大人も彼らから教わることも多いと感じました。そもそも私は彼らが才能のない選手たちとは思いません。大阪桐蔭で野球部に入るという選択があること自体が才能のある選手である中で、「自分達は弱い」と認識できる謙虚さ。これこそが、最後、甲子園という舞台で、99本もの安打で頂点に上り詰めた要因であったように思います。
 彼らは自分達を「今年はスター不在のチーム」と言いますが、決勝戦の試合前、多くのファンがベンチ前で素振りをする選手らの写真を撮ろうとスタンド下まで集まりました。努力という才能で、先輩達に負けない強烈な印象と憧れを植え付けていた君達は、もう既に「甲子園のスター」になっていました。
 優勝監督インタビューで、西谷監督は、「一生懸命にやってくれた(偉大な)OB達にいい報告ができる。」と話しました。
大阪桐蔭ではどんなスター選手でも壮絶な努力し、その姿を見て後輩達は成長しているのです。


一方、惜しくも準優勝した常葉菊川もファイナリストにふさわしいチームでした。打撃力に隠れた守備力で、逆転劇の下地をつくり決勝戦まで勝ち抜きました。人は一度、大敗を喫すると全てを駄目と評する人もいるでしょうが、フルスイングする豪快な打撃と集中打、そしてそれを確実に勝ちに繋げるだけの守備力。これは今大会、失策で敗戦する学校も多かった中、このチームこそが決勝の舞台で戦うにふさわしいと戦前から思いました。
 決勝戦では先発したエースの戸狩君の肘の調子が悪く、大敗を喫する結果とはなりましたが、佐野監督はその戸狩君を9回表2死となって5人目の投手として最後にもう一度マウンドに戻しました。そのシーンと戸狩君が9回裏2死となって最後の打席に向かうシーン。甲子園では1塁、3塁に関係なく大きな拍手が沸き起こりました。
 点差がついても帰らない観衆、本気で野球を観る観衆は、戸狩君の無念の思いや常葉菊川の実力を知っているからの拍手だったのでしょう。見事な準優勝でした。

                   ~ 銀傘の陰から② (続き)~
 
 さて今大会は、北京オリンピックと開催時期が重複する影響を避けるため、史上最も早い8月2日に開幕しました。恒例の組合せ抽選会はなく各地方大会の決勝戦後に優勝校がくじを引き、次々とトーナメントが決まっていく方法をとりました。また甲子園練習もなく、選手達や我々も少し寂しい感じがしましたが、8月2日の開幕から高校野球らしい見事な接戦が続きました。 
 今大会は、「打高投低」と評すべき大会となりました。安打数、打点、本塁打等で、高い数字を記録する一方で、与四死球や失策も多く、課題を残すものでもありました。
 高校野球はプロ野球とは違います。ある程度の失策や与四死球は仕方ないことでしょう。しかし、それが、勝敗を決してしまい、悔いを残す材料にはしてほしくないと考えています。また甲子園練習がなくぶつけ本番で戦わざるを得なかった影響も少なくはないでしょう。
 今後は、例年各校30分の甲子園練習ですが、このような早期開催でも試合前ノックの7分間程度、各学校に守備練習を割り当てる等、検討と配慮があってもよいのではと思います。

 今大会も多くの心に残るプレーがありました。
 ほんの一つだけ紹介します。

 8月17日 準決勝第1試合。浦添商対常葉菊川戦でのシーン。
 7回表常葉菊川の攻撃。1死3塁から、8番栩木君がスクイズ。大きくバウンドして跳ね上がった打球を浦添商・エースの伊波君がグラブを上から叩きつけるグラブトスで捕手の山城君に送り、捕殺するプレーがありました。グラブを上から出すグラブトスは非常に難しいプレーですが、甲子園の舞台でやってのけました。とっさに体が反応した結果でしょうが、その野球センスに甲子園は感嘆の拍手を送りました。近くにいた横浜ベイスターズのスカウト陣も苦笑いするようなシーンでした。


KAIspoはこの8月で、この1年の総決算となります。今年は春の選抜も80回記念大会。夏は90回記念大会。沖縄勢が甲子園に登場して50年。春は沖縄尚学が優勝し、夏は浦添商がベスト4まで進み、沖縄勢が春夏連覇するのではと、沖縄野球の躍進が甲子園を席捲しました。
 また夏の高校野球は、大正4年8月18日に産声をあげました。そして93年後の90回記念大会決勝戦が行われたのも同じ8月18日。甲子園の申し子といわれた清原和博選手が生まれ、そして、プロ野球人生の今季限りでの引退を宣言した日ともなってしまいました。
 沖縄勢の躍進と決勝戦の行われた8月18日。高校野球の歴史と縁を感じざる得ない印象深い日となりました。

 今年も大会開催時期に関係なく数多く甲子園を訪れました。試合だけではなく、改装工事過程で、蔦が取り除かれ、あらわになった外壁からは大正14年からの歴史を感じさせました。冬に訪れた時には、雪が降り、寒くて、依然工事中の甲子園があと数ヶ月後には本当に選抜の舞台になるのかと心配したことをつい最近のように思い出されます。
 また年明けには甲子園・素盞嗚神社(こうしえん・すさのをじんじゃ)の絵馬に私はこうつづりました。「生まれ変わっても甲子園大会が続いており、もう一度高校野球に出会えますように」。私以外の絵馬につづられた多くの球児や関係者の夢は今年叶ったのでしょうか。

 毎年のことですが、大会終盤にもなると確かに疲労もピークでした。しかし、どんなに疲れても甲子園駅に着くと、胸が躍ります。どんなに疲れても甲子園はその何倍もの感動、勇気、希望を与えてくれます。
 8月15日の準々決勝でのスタンド。「もう大会も終わりやなぁ。寂しいな。近畿勢同士の決勝もあるかもな。」ともう何十年と甲子園に足を運んでいるであろう方々の会話が聞こえました。
 選抜のコラムでも紹介しましたが、何年たっても人々の感動や思いは変わらない、それが甲子園ということです。

 もやは恒例のコメントとなりましたが、今年も、年に2回も白球を追うひたむきさと刺激を与えてくれ、人として原点回帰させてくれる球児達に心から感謝し、今後も高校野球が続き、甲子園の文化が球児達の目指すべき価値のある尊い場所であり続けてくれることを切に祈りたいと思います。

 最後に今大会もKAIスポ・夏の甲子園コラムを“ご購読”頂いた皆様に深く感謝申し上げます。まだまだ残暑が厳しい日が続いておりますが、皆様どうぞお体ご自愛頂き、ますますご発展されますことをお祈り申し上げます。


 -2008年8月23日 KAIスポーツ新聞社・90回記念夏の甲子園取材班-
☆☆☆  2008年秋 甲子園第2期リニューアル 歴史・伝統そして新時代へ KAIスポ!!   ☆☆☆

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8/18/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会17(2008年夏)

第17日 決 勝

☆大会第17日 8月18日(月) 今日の甲子園!☆
46,000人の大観衆で膨れ上がった決勝戦の甲子園。17年ぶり2回目の優勝を狙う地元大阪の大阪桐蔭と昨春選抜優勝、夏は初優勝を狙う常葉菊川の対戦。両チーム強力打線が武器の対決は、思わぬ展開となった。


―決勝―( )内は出場回数
大阪桐蔭(5)17-0常葉菊川(3)

(桐)福島由-有山
(常)戸狩・野島・萩原・浅川・戸狩-栩木
本塁打:大阪桐蔭・奥村(大会48号)、萩原(49号)

【戦評】
大阪桐蔭の打線が爆発。2本塁打含む21安打を放ち圧勝し、17年ぶり2回目の優勝を決めた。
初回、肘に不安があり球威のない常葉菊川先発戸狩を攻め、2番佐野からの3連打で1死満塁とし、5番奥村が今大会3本目となるバックスクリーンへの満塁本塁打を放ち、4点を先制。3回、5回にも1点づつを加えペースをつかむと、6回には、打者一巡で4安打に敵失も絡め、6点を取り試合を決定付けた。打線に火がついた大阪桐蔭は、7回には萩原が今大会3本目の2点本塁打。9回にも敵失と有山の適時打で3点を取り駄目を押した。
大阪桐蔭・先発福島由は、準決勝からの連投の疲れを感じさせない見事な投球。直球とスライダーが切れ、散発5安打、9奪三振。3塁を1度しか踏ませない投球で常葉菊川の強力打線を完封した。決勝戦の完封は80回大会の横浜・松坂以来。

常葉菊川は、全力投球できない戸狩が初回に早々とつかまり、その後、野島、萩原、浅川と繋いだが、大阪桐蔭の勢いづいた打線を止められなかった。
今大会、集中打による大量得点で打ち勝ってきた打線も、大阪桐蔭・福島由の丁寧な投球の前に、長打2本の5安打に抑えられ最後まで反撃の糸口を掴めなかった。

【記録・記憶】
※大阪桐蔭は17年ぶり2回目の優勝。大阪勢の優勝はその大阪桐蔭の優勝以来10回目。
※決勝での17点差は、第6回大会(1920年)の関西学院17-0慶応普通部以来の最多得点差。
※大阪桐蔭の今大会安打数99本は、第82回大会(2000年)で優勝した智弁和歌山の100本に次ぐ歴代2位の安打数。
※大阪桐蔭・萩原の大会15打点は、第67回大会の宇部商・藤井、今大会の横浜・筒香の14打点を抜き、最多打点記録。


【優勝までの軌跡】
☆優勝校・大阪桐蔭高校(2年ぶり5回目出場)
1回戦:16-2日田林工(前日2回途中降雨中止による再試合。奥村の3ラン含む19安打で大勝。)
2回戦:6×-5金沢(延長10回3番森川がサヨナラ安打。1番浅村が2本塁打。3回から奥村が好救援。)
3回戦:7-5東邦(4回まで毎回得点。中盤に佐野の適時打。終盤の追い上げを福島由、奥村、福島由の継投で凌ぐ。)
準々決勝:7-4報徳学園(好投手近田攻略。奥村、萩原の本塁打等で逆転勝ち。福島由、奥村、福島由の継投。)
準決勝:9-4横浜(3回に逆転。9回萩原駄目押し弾で宿敵に快勝。福島由、8安打完投。)
決勝:17-0常葉菊川(打線爆発。奥村満塁弾に萩原2ランで圧勝。福島由、5安打完封。)

【学校の横顔】
学校創立1983年。野球部も同年創部。夏は今大会で5回目。初出場した第73回大会に背尾、和田、萩原を擁し初優勝。第87回大会は、辻内、平田、中田を擁し優勝した駒大苫小牧に敗れたがベスト4まで進出。春も3回の出場でベスト8が2回と甲子園では既に強豪。主なOBに、西岡(ロッテ)、岩田(阪神)、辻内(巨人)、平田(中日)、中田(日本ハム)等、プロへ有力選手を輩出している。

- 90回記念大会 感動はいつまでも! KAIスポ!-

​

☆90回記念夏の甲子園コラム17
​「 球運クライマックス ~ 決勝戦 大阪桐蔭 対 常葉菊川 ~」☆

それはいきなりの号砲だった。

初回、1死満塁から大阪桐蔭・5番奥村が強烈な打球音を残し、センターバックスクリーンへ満塁ホームランを放つ。

4万6千人で埋まったマンモス甲子園が目を醒ます。
まだ初回だ。残される8イニングス。この先、どんなドラマが用意されているのか。

毎年、決勝戦は試合開始前から独特のムード、いや“音”が支配する。
選手の動き全てに、こと細かく反応する観衆の拍手、歓声、どよめき。

試合開始のサイレン音の後、今年も同じように繰り返されるであろう決勝戦の譜面は、一つの強烈な打球音によって打ち消され、大阪桐蔭が奏でる音符へと書き換えられる。いきなりで、強引で、あまりにも一方的な旋律へと。

試合終了のサイレン音。

完成した譜面にはこうあった。
「大阪桐蔭打線の21の打球音。17のホームベースを駆け抜ける足音。そして一人のエースが投じるボールがキャッチャーミットを突き上げる音。」

「なぜ、ここまで一方的な譜面にしたのか?」

野球の神様に訊いて見た。

「なぜって。それは、ピンストライプのチームは、1イニングでいつでも譜面を書き換えてしまう力を持っているからさ。」


第90回記念大会決勝戦。

大勝の陰には、何点差ついても4万6千人が席を立てない敗者の実力と脅威があった。
(了)

- 90回記念大会 4059のストーリー完結 ! KAIスポ!-
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8/17/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会16(2008年夏)

第16日準決勝

☆大会第16日 8月17日(日) 今日の甲子園!☆
今日も猛暑の甲子園は、決勝進出をかけた準決勝。好カードの2試合に大会最後の日曜日とあって4万4千人の観衆で埋まった。第1試合では、お互い初の決勝進出をかけた常葉菊川と浦添商が対戦。第2試合では、甲子園優勝経験のある大阪桐蔭と横浜が対戦。今日も一投一打に沸いた。

―準決勝―( )内は出場回数
①常葉菊川(3)9-4浦添商(3)
常葉菊川:2回に前田の満塁弾含む打者12人の猛攻で9得点。お得意の1イニング集中攻撃で勝利引き寄せ、初の決勝進出!
浦添商:序盤の大量失点響く。リリーフした伊波も2回の猛攻止めきれず。初の決勝進出ならず。

②大阪桐蔭(5)9-4横浜(13)
大阪桐蔭:2回に5安打で5点、終盤も4番萩原の本塁打等で突き放す。好投手土屋攻略し、2年ぶりの再戦も返り討ち。優勝した第73回大会(91年)以来17年ぶり2回目の決勝進出!
横浜:大阪桐蔭打線に土屋打ち込まれ、打線も後半調子を上げた福島由を捉えきれず、10年ぶり3回目の決勝進出ならず。


◎今日の本塁打・・・常葉菊川・前田(大会46号)、大阪桐蔭・萩原(47号)
※本塁打号数訂正
大会第12日第4試合で鹿児島実・森田選手の大会37号本塁打の掲載がありませんでした。以降、1号ずつ繰り上がり、本日まで47本塁打となります。
お詫びして訂正いたします。


☆大会第17日〔8月18日(月)〕の試合予定☆
―決勝― 13時
常葉菊川(3)-大阪桐蔭(5)

~決勝進出校~
◇常葉菊川(静岡・2年連続3回目出場) 
〔戦績〕2回戦:2-1福知山成美、3回戦:11-9倉敷商、準々決勝:13-10智弁和歌山、準決勝:9-4浦添商
静岡県勢の決勝進出は、第55回大会の静岡以来35年ぶり7回目。常葉菊川が勝てば初優勝。静岡県勢としては、第12回大会(大正15年)の静岡中以来82年ぶり2回目の優勝が決まる。

◇大阪桐蔭(北大阪・2年ぶり5回目出場) 
〔戦績〕1回戦:16-2日田林工、2回戦:6×-5金沢(延長10回サヨナラ)、3回戦:7-5東邦、準々決勝:7-4報徳学園、準決勝:9-4横浜
大阪府勢の決勝進出は、大阪桐蔭が優勝した第73回大会以来、17年ぶり15回目。大阪桐蔭が勝てば、2回目の優勝が決まる。

☆90回記念夏の甲子園コラム16 
​「 夢叶うまであと1勝 ~ 決勝戦予想 ~ 」☆

本塁打や大量点の打撃が目立つ今大会。
決勝進出を果たした2校も強力打線が売りの似たチームだ。

常葉菊川は、「4強の風」で紹介した通り、1イニングに大量点をとる集中攻撃が強み。倉敷商戦は6点差で迎えた5回の1イニングで7安打を集め7得点、準々決勝では、6回に10得点、今日の準決勝でも9得点。相手ミスや四死球あらば、一気に畳み掛け試合を決める打線は脅威。
3回戦13安打、準々決勝15安打、準決勝10安打と3戦連続2桁安打。
本塁打は、伊藤1本、前田2本、町田1本の4本。4番中川にあたりがなかったが、今日2安打と復調気味。打線はよく振れているが、選抜初戦敗退の反省からか、今大会は要所で犠打も使うなどしてつないでいることが、大量得点につながっている。
心配なのは、投手陣。エース戸狩の肘の状態が悪く直球は120キロ程度。強力打線の大阪桐蔭が相手だけに、細かい制球が生命線。エース戸狩を軸とはするものの、野島への継投あるいは、状況によっては投手陣も総力戦で戦わざるをえないだろう。

大阪桐蔭は、福島由、奥村の投手陣が安定している。エースの福島由は、今大会もある程度の失点はあるものの、大崩れせず、試合の中で立て直す器用さを見せている。常葉菊川の強力打線が相手だけにこちらも制球には気をつけたい。実力がさほど変わらない奥村が控えるのは心強い。継投のタイミングも鍵を握る。
打線も好調で、1回戦19安打、2回戦16安打、3回戦13安打、準々決勝16安打、準決勝14安打で5試合合計78安打、1試合平均15.6安打と絶好調。決勝戦で12安打放つと、大会史上3校目の1大会90安打以上を記録する程のペースだ。
本塁打は浅村2本、萩原2本、奥村2本の6本。

明日の決勝戦は、両校投手陣が両校の強力打線をいかに封じるかがポイント。ある程度の失点は覚悟しつつも、ピンチをいかに最小失点で切り抜けられるか。その為にも失策や四死球は何としても避けたい。
両校、実力伯仲しているが、投手力で大阪桐蔭に分があると考える。

いずれにしても両校全てを出し切る、悔いのない戦いを期待したい。

夢叶うまであと1勝。

90回の記念大会決勝戦は明日午後1時プレイボール。
​(了)


- 投げ 打ち 走れ 90回記念大会最終章! KAIスポ!-
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8/16/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会15(2008年夏)

第15日準々決勝

☆大会第15日 8月16日(土) 今日の甲子園!☆
準々決勝残り2試合が行われた甲子園。今日でベスト4が出揃った。第1試合は3回戦で1イニング2本塁打を放った坂口擁する智弁和歌山と2年連続で4強入りを狙う常葉菊川の対戦。第2試合は、10年ぶりの優勝を狙う横浜と初のベスト8を果たした聖光学院が対戦。第2試合途中で、突然の降雨による42分間の中断があったが、試合は無事再開され、9回まで行われた。


―準々決勝― ( )内は出場回数
①常葉菊川(3)13-10智弁和歌山(16)
常葉菊川:6回打者15人、7安打の猛攻で10得点。戸狩苦しみながらも終盤の智弁の猛攻凌ぎ切り、2年連続2回目のベスト4進出!
智弁和歌山:11点差から終盤持ち前の粘りで8点返す見事な底力も6回の大量失点響く。坂口の最後の夏、8強で終わる。2年ぶり6回目のベスト4ならず。

②横浜(13)15-1聖光学院(5)
横浜:4番筒香の2打席連続弾含む18安打で圧勝。投げては土屋、田山の磐石リレーで7年ぶり5回目のベスト4進出!
聖光学院:横綱・横浜に終始圧倒され完敗。初のベスト4ならず。


◎今日の本塁打・・・常葉菊川・前田(大会41号)、智弁和歌山・浦田(42号)、横浜・筒香(43号・44号)


☆大会第16日〔8月17日(日)〕の試合予定☆
―準決勝―
①浦添商(3)-常葉菊川(3)
②横浜(13)-大阪桐蔭(5)

☆90回記念夏の甲子園コラム15 
​「 4強の風 ~ 頂きをみる4強の顔ぶれ ~ 」☆

◇浦添商(沖縄・11年ぶり3回目出場)  
〔戦績〕1回戦:7-0飯塚、2回戦:12-9千葉経大付、3回戦:3-1関東一、準々決勝:4-3慶応(延長10回)

沖縄大会決勝で選抜優勝・沖縄尚学倒し乗り込んだ甲子園。前回出場の11年前に並ぶ2回目のベスト4進出。投打の中心150キロ右腕・エース伊波だけでなく、準々決勝では投打に控え選手が実力発揮、総合力で勝ち進む。夏の優勝悲願にわくハイサイ響くパワフル応援は4強中、断トツナンバー1。春に続いて真夏も沖縄旋風真っ盛り。沖縄勢悲願の夏優勝と沖縄勢の春夏連覇まであと2つ。



◇常葉菊川(静岡・2年連続3回目出場) 
〔戦績〕2回戦:2-1福知山成美、3回戦:11-9倉敷商、準々決勝:13-10智弁和歌山

春夏連覇を目指した昨夏に続くベスト4進出。ビッグイニング作る破壊力は4強中、ナンバー1。2回戦は8回に2点、3回戦は5回に7点、準々決勝は5回に3点で逆転すると6回に10点のおまけつき。逆転劇には1イニングで十分の後半猛追型。大会自体も終盤戦。自慢のフルスイング打線が初優勝まで一気に猛追する。



◇横浜(南神奈川・2年ぶり13回目出場) 
〔戦績〕1回戦:6-5:浦和学院、2回戦:7-4広陵、3回戦:3-2仙台育英、準々決勝:15-1聖光学院

夏優勝2回、春優勝3回。甲子園での優勝経験は4強中、断トツナンバー1。投打の中心、土屋、筒香が実力発揮、7年ぶりのベスト4。甲子園での勝ち方を知る名将渡邊監督と策士・小倉部長のコンビは今年も健在。80回記念大会での春夏連覇から10年。松坂世代に憧れた小学生達が今や同じユニフォーム姿で夢を追う。90回記念大会優勝まであと2つ。


◇大阪桐蔭(北大阪・2年ぶり5回目出場) 
〔戦績〕1回戦:16-2日田林工、2回戦:6×-5金沢(延長10回サヨナラ)、3回戦:7-5東邦、準々決勝:7-4報徳学園

辻内、平田、中田とスター揃いで4強入りした87回大会以来3年ぶり3回目のベスト4進出。当時と同じく、一発で流れを変えるホームラン数5本は、4強中、ナンバー1。スター不在でも投の2枚看板福島由、奥村に、打の浅村、萩原ら走攻守のバランスとチームワークは当時以上。同校が初出場初優勝を果たした73回大会以降、ご当地、野球どころ大阪勢の優勝はない。地元大阪勢の威信もかけて、2度目の優勝へアーチをかける。
(了)

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8/15/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会14(2008年夏)

第14日準々決勝

☆大会第14日 8月15日(金) 今日の甲子園!☆
今日から一番面白いと言われる準々決勝。真夏のうだるような暑さにも関わらず4万6千人が見守る中、第1試合では近畿の強豪対決。好投手報徳の近田対大阪桐蔭の強力打線。第2試合は、陸の王者慶応対沖縄勢春夏連覇目指す浦添商。2試合ともに手に汗握る大熱戦となった。また、第1試合終了後、準決勝の組合せ抽選が行われた。

―準々決勝― ( )内は出場回数
①大阪桐蔭(5)7-4報徳学園(13)
大阪桐蔭:2本塁打含む16安打で2試合連続サヨナラ勝ちの報徳倒し3年ぶり3回目のベスト4進出!
報徳学園:序盤先制して優位に進めるも、後半に近田捕まる。逆転の報徳、27年ぶりの3回目のベスト4ならず。

②浦添商(3)4-3慶応(17)〔延長10回〕
浦添商:延長10回スクイズで勝ち越し。3人の継投で粘る慶応振り切る。11年ぶり2回目のベスト4進出!
慶応:7回に逆転するも延長10回力尽く。88年ぶり3回目のベスト4ならず。


◎今日の本塁打・・・大阪桐蔭・奥村(大会38号)、報徳学園・西郷(39号)、大阪桐蔭・萩原(40号)


☆大会第15日〔8月16日(土)〕の試合予定☆
―準々決勝―
①智弁和歌山(16)-常葉菊川(3)
②聖光学院(5)-横浜(13)

☆大会第16日〔8月17日(日)〕の試合予定☆
―準決勝―
①浦添商(3)-智弁和歌山・常葉菊川の勝者
②聖光学院・横浜の勝者-大阪桐蔭(5)
​

☆90回記念夏の甲子園コラム14 
​「 1イニング分の1の重み ~ 浦添商 対 慶応 ~ 」☆

試合は3対3で延長戦に突入した。

何かが一つ、あるいは一瞬崩れた時、敗者となる。
しかし、何かが一つ、あるいは一瞬幸運を呼び込むと限りなく勝者に近づく。
その重みは9イニング分の1ではなく、1イニング分の1。
つまり延長戦とは1プレイが限りなく、勝敗を支配する可能性が高いということだ。

浦添商は先攻、慶応は後攻。

10回表

背番号14の先頭打者・仲里は甲子園に来てここまでヒットは1本。2本目のヒットが三塁打となり、勝ち越しの場面を作る。
ここまで甲子園9安打の次打者・漢那が倒れる。これが延長戦なのだろう。

1死3塁。

強行か、スクイズか。
監督のサイン、打者、走者の何気ない動きの一つ一つを両チームが目まぐるしく探り合う。
現地で視察している私の予想は、ほぼスクイズと読む。

2番上地俊は、1球、2球と最初からバントの構えを見せながら見送る。
1ストライク1ボールからの3球目。
サード前に転がすスクイズ敢行。成功した。
1点勝ち越した。

この試合、慶応の継投は普段の先発田村から只野ではなく、先発只野から田村。
もし、背番号3をつける一塁手兼投手の只野がいつもの通り、2番手で投げていたら、浦添商・神谷監督にこの選択があったかどうか。慶応・上田監督の只野評は、「クールで、フィールディングは只野の方が上」。

10回裏

慶応は粘りを見せ、代打の切り札、普久原が安打で出塁する。代走に荒川が送られ、2死2塁となって2番福富が打席に入る。同点のランナー荒川は、隙あらばホームインを考え、体をほぐす。

福富に対する4球目。

打球はホームベースの上空へ。
果敢に手を上げ捕球に向かう捕手の山城。
浜風、キャッチャーフライ特有のドライブ、そして足音まで聴こえたかどうか、ホームまで迫り来る2塁ランナーの荒川。

時間にして6秒間。

それぞれの思いが青空を交錯した後、白球はキャッチャーミットに収まった。


決めなければならない勝者と敗者。
今日も2校が甲子園を去った。
(了)

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8/14/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会13(2008年夏)

第13日3回戦

☆大会第13日 8月14日(木) 今日の甲子園!☆
3回戦残り4試合が行われ、ベスト8が出揃った。また、第1試合終了後に準々決勝の組合せ抽選が行われた。

―3回戦― ( )内は出場回数
①浦添商(3)3-1関東一(4)
浦添商:1対1で迎えた7回、1番漢那の適時打で勝ち越し!11年ぶり2回目のベスト8進出!
関東一:押久保好投も、打線が浦添商・伊波を崩せず。23年ぶりのベスト8ならず。

②慶応(17)2-0青森山田(9)
慶応:田村、只野の5安打完封リレー!実に88年ぶり5回目のベスト8進出!
青森山田:自慢の打線に精彩かく5安打。9年ぶりの2回目のベスト8ならず。

③大阪桐蔭(5)7-5東邦(15)
大阪桐蔭:序盤に効率よく得点し終盤の追い上げかわす!3年ぶり3回目のベスト8進出!
東邦:8回、9回に小宅の本塁打等7安打で5点を返すも及ばず。16年ぶり6回目のベスト8ならず。

④横浜(13)3-2仙台育英(21)
横浜:2対2で迎えた9回、相手バッテリーのミスで勝ち越し。エース土屋粘投実る!4年ぶり7回目のベスト8進出!
仙台育英:1年生投手・木村好投も、9回痛恨の暴投。14年ぶり3回目のベスト8ならず。


◎今日の本塁打・・・・・東邦・小宅(大会37号)


☆大会第14日〔8月15日(金)〕の試合予定☆
―準々決勝―
①報徳学園(13)-大阪桐蔭(5)
②浦添商(3)-慶応(17)
(第1試合終了後、準決勝組合せ抽選)

☆大会第15日〔8月16日(土)〕の試合予定☆
―準々決勝―
①智弁和歌山(16)-常葉菊川(3)
②聖光学院(5)-横浜(13)

☆90回記念夏の甲子園コラム13 
「 最後の夏を背負う1年生 ~ 大石竜太(横浜)、木村謙吾(仙台育英) ~ 」☆

ベスト8をかけた最後の試合となった横浜対仙台育英。両校にはそれぞれ1年生の主力選手がいる。仙台育英の投手の木村健吾と横浜高校の遊撃手の大石竜太は、野球の名門で1年生で主力選手となり、甲子園出場を果たした。

1年生の夏、いきなり主力として地方大会にも出場し、甲子園出場までも果たしてしまう等、おおよそ考えられないことだ。私の高校1年時は、投手としての投球練習は毎日行っていたが、打撃練習などは、先輩の練習の合間の時間を利用する程度。夏までの間に公式戦に出るなど想像だにできない環境だった。私の2年生の夏は3年生エースをリリーフする役目だった。そしてこの大会、敗れた試合で最後の打者にもなった。私が出塁すれば、ネクストバッターズサークルで待つ3年生の控え選手が代打で出るはずだった。今でも打席の胸の鼓動を覚えている。下級生にとっての夏は、「先輩達の最後の夏」。複雑な心境での戦いだったと記憶している。しかし、この二人は、名門中の名門で、1年夏の甲子園出場。恐れ入る次第だ。

仙台育英・木村は、宮城大会から甲子園大会も含めエース穂積をリリーフする、貴重な左腕としてここまで貢献してきた。勝てばベスト8。今日、10年前春夏連覇した横浜相手に、臆することなく、直球、スライダーを投げ込んだ。
気がつけば、1点を争う投手戦を繰り広げていた。あの横浜打線が、1年生投手を打ちあぐんでいた。試合をつくり、抑えてもいた。

一方で、横浜の遊撃手・大石竜太はこの試合、3安打を放ち、守備でも機敏な動きで何度もチームを支えた。エース土屋の背中から声を出し、土屋が叩き落としたライナーを俊敏に処理し、アウトにした。3年生エースが笑顔でハイタッチを求めてきた。

試合は、9回表、木村自らの暴投で横浜に決勝点を与えてしまう。

その1点を追う9回裏、2死で木村に打席が回ってきた。初球から3球目まで全て打ちにいった。並みの1年生ではない。2ストライク1ボールからの5球目。低めのスライダーにバットは空を切った。

試合終了の挨拶の後、大石と木村は握手した。実は、開会式で同じ1年生ということでメールアドレスを交換した仲だ。
先輩達の最後の夏を背負う1年生だから分かり合える唯一の瞬間。今度は、自分達が先輩となりあと2年間、よきライバルとして覇権を争う。
(了)

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8/13/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会12(2008年夏)

第12日3回戦

☆大会第12日 8月13日(水) 今日の甲子園!ベスト8最初の4校が決定☆
―3回戦― ( )内は出場回数
①聖光学院(5)5-2市岐阜商(4)
聖光:6回鮮やか逆転勝ち!初の8強進出!
市岐阜商:加藤の本塁打で先制するも中盤以降追加点奪えず。初の8強ならず。

②常葉菊川(3)11-9倉敷商(7)
常葉菊川:5回伊藤の3ラン等集中打で一気に逆転!2年連続の8強決めた!
倉敷商:初回に速攻5点先制も中盤、終盤に相手猛攻止めきれず。19年ぶりの8強ならず。

③智弁和歌山(16)15-3駒大岩見沢(4)
和智弁:8回、3本塁打含む8安打11得点の逆転劇!2年ぶり6回目の8強進出!
駒大岩:7回まで1点リードも終盤の智弁の猛攻止められず。初の8強進出ならず。

④報徳学園(13)7-3鹿児島実(16)
報徳:2回4安打で3点先取し主導権。近田8四死球も粘った!優勝した63回大会以来27年ぶり6回目の8強進出
鹿実:近田のスライダー打てず。9回の森田の3ランも反撃遅し。12年ぶり5回目の8強逃す。


◎今日の本塁打・・・・聖光学院・加藤(大会31号)、常葉菊川・伊藤(32号)、町田(33号)、智弁和歌山・坂口(34号)、勝谷(35号)、坂口(36号)、


☆明日、大会第13日〔8月14日(木)〕の試合予定☆
―3回戦―
①関東一(4)-浦添商(3)
②青森山田(9)-慶応(17)
③東邦(15)-大阪桐蔭(5)
④横浜(13)-仙台育英(21)
​

☆90回記念夏の甲子園コラム12 
​「  4番の風格 ~ 坂口真規(智弁和歌山) ~ 」☆

甲子園では数々の4番打者がファンを魅了してきた。
今大会、智弁和歌山の4番坂口真規もそんな風格を漂わせている。

昨夏の甲子園。155キロを記録した佐藤由規(仙台育英-ヤクルト)から本塁打を放ち、一躍全国区に躍り出た。「あの佐藤から本塁打を打った男」、そんな冠が彼にはつきまとう。

今春の選抜大会、期待された本塁打は打てず3試合で3安打と不本意に終わった。負けた東洋大姫路戦は無安打。
4番が打てなければチームは負ける。4番とはそんな存在だ。

今夏の和歌山大会。坂口は準決勝まで4試合連続で本塁打を放ち、チームへの貢献はもちろんのこと、真の4番として夏の甲子園に戻ってきた。
初戦となった1回戦の済美戦は2塁打2本を含む3安打。2回戦の木更津総合戦は2安打。4番が打って勝ち上がった。

今日、ベスト8を懸けた駒大岩見沢戦。
7回まで2対3のビハインド。ここまで4番の快音は聴こえない。残されたイニングスはあと2まで追い込まれていた。

炎天下の8回表。

塁上に2人の走者を置き、智弁打線が逆転のお膳立てを整え坂口までつなぐ。
ベンチは「坂口が打てば勝てる。」
スタンドでは「4番にまわったで」。


期待と予感。


坂口は186センチ90キロの体で一際狭く見えるバッターボックスへ歩を進める。

初球。
快音、歓声、落胆、そしてどよめき。

強烈すぎる本塁打で勝利を確信する。そして期待以上の4番の号砲に智弁打線は爆発する。
この回、3番勝谷にも一発。仲間に乗せられたか、いや、みずから告げた予想以上の打線の導火線を止めようとしたのか。坂口はこの回2発目もレフトに運んだ。

長い大会史上、1イニング3本塁打、1イニング2打席連続本塁打は史上初の出来事だそうだ。
そんな歴史的瞬間を目撃した甲子園は、8回表終了後でも尚、どよめきは続く。
9回、打席に入る時、スタンドからは大きな拍手が送られる。過去、伝説となったスラッガーがみなそうであったように。

今日、怪物は甲子園で生まれた。
(了)

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8/12/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会11(2008年夏)

第11日2回戦

☆大会第11日 8月12日(火) 今日の甲子園!☆
―2回戦― ( )内は出場回数
①大阪桐蔭(5)6×-5金沢(12)
大阪桐蔭:1番浅村2本塁打に継投決まり、総合力でのサヨナラ劇!
金沢:互角に戦うも終盤に追加点奪えず。

②横浜(13)7-4広陵(19)
横浜:中盤効率よく攻め突き放し、名門対決制す!
広陵:上本の先頭打者弾で先制するも、本来のリズムつかめず。

③仙台育英(21)6-4福井商(19)
仙台育英:小川の2点勝ち越し打。1年生投手木村が好投!
福井商:中盤まで食らい尽くも終盤好機作れず。

◎今日の本塁打・・・・大阪桐蔭・浅村(大会28号・29号)、広陵・上本(30号)

☆明日、大会第12日〔8月13日(水)〕の試合予定☆
―2回戦―
①聖光学院(5)-市岐阜商(4)
②常葉菊川(3)-倉敷商(7)
③駒大岩見沢(4)-智弁和歌山(16)
④鹿児島実(16)-報徳学園(13)
​

☆90回記念夏の甲子園コラム11 
​「 宝物は新たな伝統に ~ 昨夏準優勝校 広陵(広島) ~ 」☆

「甲子園の宝物を取りに行こう」
今大会は昨夏無念の準優勝となった雪辱を期す夏の甲子園だった。

2007年8月22日 第89回大会決勝戦。
春優勝3回を誇るものの夏は初優勝をかけて、佐賀北との決勝戦を戦った。試合は、実力に勝る広陵が、7回までに4対0とリードし、深紅の優勝旗は広陵の手に収まるだろうと大方の関係者は思った。しかし、8回、それまでの展開が嘘のようにエース野村が乱れ、逆転満塁弾を浴びた。試合後、自分達が舞うはずのマウンドには佐賀北ナインが。うなだれて呆然と見つめるしかなかった。試合内容は圧倒していた。現実を受止めるにはあまりにも酷な準優勝劇。1球の、1イニングの恐さを知るには十分すぎる試合だった。
当時の私のコラムでも「未だに信じられないという思い」で執筆に向かったことを思い出す。

あれから1年。

広島大会決勝でも、昨年忘れたきた「宝物」を求め、7点差をも逆転し、リベンジの挑戦権を手に入れた。
甲子園での1回戦、高知高校戦では、7回に5点差を追いつかれても、下をむく選手はいなかった。終盤に突き放し、「宝物」までのリベンジロードを切り開いた。
今日の2回戦の横浜戦。昨夏の悔しさを知る上本の先頭打者本塁打等、臆することなく立ち向かった。しかし、夏の優勝2回を誇る、夏の勝ち方を知る横浜の壁は分厚かった。

野球の神様はこの悲劇の伝統校にどこまで試練を与え続けるのか。

昨夏、接戦の末、駒大苫小牧を破った試合。選手達は、「相手も強いが伝統ならうち(広陵)の方が上。負ける気はしなかった」という。
「宝物」を追い求める新たな伝統がまた新チームに受け継がれる。
(了)

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8/11/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会10(2008年夏)

第10日2回戦

☆大会第10日 8月11日(月) 今日の甲子園!☆
―2回戦― ( )内は出場回数
①青森山田(9)4-0本庄一(初)
青森山田:ミス逃さず得点に。エース木下6安打完封!
本庄一:初出場校に守りのミス。

②慶応(17)5-0高岡商(16)
慶応:先制、中押し、駄目押しに2枚看板完封リレー!
高岡商:打線かわされ好機作れず。

③東邦(15)5-4清峰(3)
東邦:1点づつを取り合う戦線に最後はスクイズでし止める!
清峰:11安打も畳み掛けられず無念の1点差。

◎今日の本塁打・・・・東邦・古市(大会27号)

☆明日、大会第11日〔8月12日(火)〕の試合予定☆
―2回戦―
①大阪桐蔭(5)-金沢(12)
②広陵(19)-横浜(13)
③仙台育英(21)-福井商(19)

☆90回記念夏の甲子園コラム10 
​「 一歩一歩駆け上がった甲子園への道 ~本庄一(北埼玉)~ 」☆


甲子園なんて遠い夢の世界だった。北埼玉から初出場の本庄一の甲子園へのスタートは草の根からだ。
15年前の1994年、当時野球部は同好会。野球部へと昇格させる為に、部員7人に他の部活動生を加え、高野連の認定試合で接戦を演じ、部への昇格を果たす。ひたむきな練習を重ねた結果、徐々に県大会の成績を上げていく。
2000年には県大会16強へ進出。若干22歳で創部当時監督を引き受けた山浦秀一現部長(37)の「卒業しても胸をはれる野球部に」という思いは、年数を重ねる毎に強い本庄一へと成長を遂げていく。

2002年に秀明(埼玉)を選抜に導いた須長現監督が就任すると、チームは甲子園を射程圏内に捉え始める。一昨年の埼玉大会で準決勝進出、昨年は準優勝と一歩一歩階段を上がってきた。高校野球では珍しいブラジル人留学生も受け入れ、国境を越えた野球留学への寛容さと他の選手への刺激を融合させ、今年ついに2番から1番になる最後の階段を登りきった。その先に待っていた夢舞台。創部15年間の蕾は花開いた。

1回戦は、ブラジル人留学生の奥田ペドロのサヨナラ本塁打で甲子園初勝利。
今日の青森山田戦では、勢いそのままのつもりが気負ってしまったか、ミスが失点に結びつき、甲子園の恐さを痛感。初めての甲子園という舞台で明と暗を味わった。

埼玉県勢では浦和学院や春日部共栄等、伝統ある私学が甲子園の常連組み。しかし、一度も甲子園出場のない学校を選び、試行錯誤の末、同好会から足掛け15年で掴んだ甲子園。選手、そして監督、関係者は思うに違いない。「本庄一を選んでくれてありがとう」。今度は勝てるチームで甲子園へ。16年目のページはめくられた。
(了)

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8/10/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会9(2008年夏)

第9日2回戦

☆大会第9日 8月10日(日) 今日の甲子園!☆
―2回戦― ( )内は出場回数
①鹿児島実(16)4-1宮崎商(4)〔延長12回〕
鹿実:延長12回、4安打集め息詰まる投手戦に終止符!
宮崎商:豪腕・赤川好投も打線に援護なし。

②報徳学園(13)5×-4智弁学園(15)〔延長10回サヨナラ〕
報徳:延長10回、2試合連続サヨナラ勝ち!
智弁:9回2死から3連打での見事な同点劇。

③関東一(4)5-2鳴門工(5)
関東一:序盤のリードをエース松本守りきる!
鳴門工:5回以降林が抑え無失点。序盤の失点に悔い。

④浦添商(3)12-9千葉経大付(3)
浦添商:序盤の速攻に終盤の駄目押しで乱打戦制す!
千葉経大付:最大8点差から1点差に迫る粘りは見事。

◎今日の本塁打・・・・関東一・広瀬(大会24号)、千葉経大付・斉藤(25号)、樋口(26号)

☆明日、大会第10日〔8月11日(月)〕の試合予定☆
―2回戦―
①本庄一(初)-青森山田(9)
②慶応(17)-高岡商(16)
③清峰(3)-東邦(15)

☆90回記念夏の甲子園コラム9 「 涙きらり、敗者称える甲子園  」☆

実力伯仲の今大会を象徴するような接戦の4試合が行われた。好カードぞろいで日曜日も重なり超満員に膨れ上がった甲子園。
今日も4つの、敗者の名に値しない敗者たちが甲子園を去った。

第1試合・宮崎商・赤川投手。
宮崎商は、絶対的なエース・長身左腕・赤川が見事な快投を演じた。3回に先制点を許すも、最速148キロの速球ではなく、ほぼ140キロ弱に抑えた直球と鋭いスライダーで追加点を与えない。自分の剛球よりもチームの勝利優先するピッチングでさえ奪三振は11を数える。2人の継投で凌いだ鹿実に対し、エース赤川は一人でマウンドに立ち続けた。延長12回勝負を決定づける3失点も、どっしりとマウンドにたたずむ姿はまさに大黒柱。2回戦で去るにはあまりにも惜しい敗者は爽やかに甲子園を去った。

第2試合・智弁学園
常にリードを許す展開の中、9回表、最後の攻撃を迎えた。簡単に2者が倒れ、2死走者なし。しかし「野球は2アウトから」。ドラマは始まった。7番辻がセンター前ヒット、代打・吉田が右中間を破る適時3塁打で1点差。続く9番当房が周囲の緊張感をよそにセンター前ヒットを放ち、同点とし延長戦に持ち込んだ。
完全に流れは傾いたはずだった。
10回表、2死2塁から長岡のレフト前ヒットで勝ち越すはすが、報徳・レフト諸沢のダイレクト返球で本塁憤死。試合巧者報徳に予想だにしないプレーで流れを引き戻された。
1回戦の近江の追い上げをかわしての辛勝に、今日の報徳戦でのサヨナラ負け。近畿勢との対戦だけで夏を終わらせるにはもったいない甲子園での戦い。惜しみない拍手の中、選手とアルプスの「C」のマークは甲子園から姿を消した。

第3試合・鳴門工
2年生中心のチームで徳島大会を勝ち上がり、甲子園でも1勝をあげた。今日の関東一戦。9番セカンドで先発したのは、キャプテン・田中。徳島大会でも打席のない背番号14のキャプテンは、4回表、1点差に迫るライト前ヒットを放つと、8回にもヒットを放ち、攻めあぐねるチームを鼓舞した。
「創部史上、最も能力のない学年」は今日、ベンチ入り全員が試合に出場した。3年生バッテリーが投げ、キャプテンがタイムリーを打った。3年生が意地を見せた最後の夏。先輩の闘志を焼き付けた後輩達が来年、その無念を晴らす。

第4試合・千葉経大付
浦添商の見事な速攻にあい、3回までに2対10と絶望的な8点差。
でもここは甲子園。魔物が覗く、その時を伺っていた。7回、1本塁打を含む5本の長打を集め、6点を奪い、一気に1点差に迫った。試合開始早々から沖縄勢独特の圧倒的な応援で、完全にビジターチームと化していた千葉経大付。1点差に迫るあきらめない戦いぶりに、スタンドの応援形勢も変わっていく。しかし8回、一度味方した魔物は今度は試練を与える2失点。7回に同点に仕切れなかった仕打ちなのか。その後、チャンスは訪れなかった。
大逆転劇が起こるのか。そんな緊張感で甲子園を熱くした、カクテル光線が浮かび上がらせる鮮やかな紫のユニフォームは1塁側浦添商側大応援団からも大きな拍手で包まれながら聖地を去った。
(了)

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8/9/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会8(2008年夏)

第8日2回戦

☆大会第8日 8月9日(土) 今日の甲子園!☆
―2回戦― ( )内は出場回数
①常葉菊川(静岡・3)2-1福知山成美(京都・3) 
常葉菊川:8回相手ミスに乗じた一瞬の逆転劇!
福知山成美:鉄壁の守備が一瞬綻んだ。勝利がするり。

②倉敷商(岡山・7)2-0佐賀商(佐賀・15)
倉敷商:木元7安打完封で岡山県勢春夏通算100勝目!
佐賀商:再三の得点圏に進めるもあと一本出ず。

③駒大岩見沢(北北海道・4)8-3盛岡大付(岩手・6)
駒大岩見沢:佐藤秀の本塁打皮切りに効率よく8得点!
盛岡大付:終盤の継投裏目。春夏通じて初勝利ならず。

④智弁和歌山(和歌山・16)5-2木更津総合(東千葉・2)
智弁和歌山:2試合連続2桁安打に左腕岡田連続完投!
木更津総合:4回のスクイズ失敗で流れ呼べず。

◎今日の本塁打・・・・駒大岩見沢・佐藤秀(大会23号)、

☆明日、大会第9日〔8月10日(日)〕の試合予定☆
―2回戦―
①鹿児島実(16)-宮崎商(4)
②智弁学園(15)-報徳学園(13)
③関東一(4)-鳴門工(5)
④浦添商(3)-千葉経大付(3)
​

☆90回記念夏の甲子園コラム8 「 野球は一点、一転を争う  」☆

勝負は、拮抗した展開になったとき、いろいろな要素が明暗を分ける。

第1試合は、昨春優勝の常葉菊川と今春近畿大会覇者・福知山成美の対戦。
7回裏、4番の高久の適時打によって福知山成美が1点を先制し、0対0の均衡を破る。しかし、次の回、常葉菊川は、8回1死1,3塁から1塁走者が盗塁を試みると、成美・捕手の福本が中堅にそれる悪送球となる間に2者が生還した。一瞬の逆転劇だった。
試合結果は、2対1で常葉菊川の勝ち。両校放った安打は福知山成美9本、常葉菊川3本だった。

第2試合は、倉敷商と佐賀商の対戦。
毎回のように得点圏に走者を進めた佐賀商だったが、好機にあと一本が出ない。ポーカーフェースでここ一番で硬軟使い分ける倉敷商エース・木元が憎らしい程の完封劇。
試合結果は、2対0で倉敷商の勝ち。この試合、放った安打は佐賀商6本、倉敷商7本。出塁回は佐賀商、倉敷商ともに6度。

今大会、ここまで失策や大量点での決着が多い中、この2試合は、一点を争うロースコアーの好ゲームだった。ロースコアーで拮抗した試合展開の場合、勝負のあやははっきりしている。
第1試合は、3安打の常葉菊川が相手失策による逆転勝ち。狐につままれたような試合だった。第2試合は、観る側にとって実力差は感じない試合だろう。適時打が1本でるかでないか。それだけだった。

野球は得点を競うスポーツであり判定決着はない。そしてその得点をどんな取り方をしようと同じ得点だ。
野球は一点を争い、一転を争っている。
(了)

- 努力を信じ、仲間を信じる 最後の夏! KAIスポ!-
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8/8/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会7(2008年夏)

第7日1-2回戦

☆大会第7日 8月8日(金) 今日の甲子園!☆
―1回戦― ( )内は出場回数
①仙台育英(宮城・21)4-1菰野(三重・2) 
仙台育英:好投手西を攻略、13安打!
菰野:好機にあと一本出ず。

②福井商(福井・19)6-1酒田南(山形・8)
福井商:投手戦も終盤に突き放す!
酒田南:エース粘投も打線に援護なし。

―2回戦―
③聖光学院(福島・5)9-2加古川北(西兵庫・初)
聖光学院:序盤の集中攻撃で終始優位に!
加古川北:初陣立ち上がりに浮き足立つ。

④市岐阜商(岐阜・4)4-3香川西(香川)
市岐阜商:6回西田の2ランで競り勝つ!
香川西:好機作るも後一歩及ばず。


◎今日の本塁打・・・・聖光・黒羽(大会21号)、市岐阜商・西田(22号)


☆明日8月9日(土)大会第8日の試合予定☆
―2回戦―
①福知山成美(京都・3)-常葉菊川(静岡・3)
②佐賀商(佐賀・15)-倉敷商(岡山・7)
③盛岡大付(岩手・6)-駒大岩見沢(北北海道・4)
④智弁和歌山(和歌山・16)-木更津総合(東千葉・2)

☆90回記念夏の甲子園コラム7 「  輝け!公立の星  ~ 加古川北 ~ 」☆

西兵庫には強い公立校がひしめいている。
ベスト8に残った学校のうち、市川を除く7校が公立校、ベスト4は全て公立校だった。東兵庫大会のベスト4が全て強豪私学だったことを考えると、対照的な結果だ。

しかし、大会前の前評判は圧倒的に選抜4強でエースで4番の佐藤翔太擁する東洋大姫路だったが、2回戦で県立の北条にまさかの完封負け。大会は波乱に満ちた。いや、公立の実力校が順調に躍進した。
大本命を破った北条は、4回戦でプロ注目投手擁する日生第三を、準々決勝では春の県大会優勝校で県立の雄・社をも撃破し4強まで勝ち上がった。

決勝戦も加古川北と洲本の公立校同士の対戦となった。加古川市から春夏通じて初めての甲子園を目指す加古川北が淡路島から33年ぶりの甲子園を目指す洲本を下し悲願の甲子園の切符を手にした。
優勝の陰には、中学時代無名選手ばかりだった加古川北の選手たちが「公立で甲子園に行く」と普通の公立校の環境で創意工夫し、どこにも負けない練習量をこなした努力の賜物だった。

今日、加古川北は破れはしたが、西兵庫にひしめく多くの「公立の星」の代表として、甲子園で最高に輝いたはずだ。
(了)

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8/7/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会6(2008年夏)

第6日1回戦

☆大会第6日 8月7日(木) 今日の甲子園!☆
―1回戦― ( )内は出場回数
①大阪桐蔭(北大阪・5)16-2日田林工(大分・4) 
大阪桐蔭:打線爆発、大勝で再試合制す!
日田林工:投手陣打たれ、完敗。

②金沢(石川・12)6-1桐生一(群馬・9)
金沢:そつなく、投打がっちり!
桐生一:金沢投手陣攻略できず。

③広陵(広島・19)8-6高知(高知・12)
広陵:ここ一番で畳み掛け。昨夏準V校終盤突き放す!
高知:終盤5点差追いつく粘りは見事。

④横浜(南神奈川・10)6-5浦和学院(南埼玉)
横浜:エース土屋、終盤の追い上げかわし、関東対決制す!
浦和学院:終盤粘るも、拙攻響く。


◎今日の本塁打・・・大阪桐蔭・奥村(大会19号)、横浜・筒香(20号)


☆明日8月8日(金)大会第7日の試合予定☆
―1回戦―
①菰野(三重・2)-仙台育英(宮城・21)
②福井商(福井・19)-酒田南(山形・8)
―2回戦―
③聖光学院(福島・5)-加古川北(西兵庫・初)
④市岐阜商(岐阜・4)-香川西(香川・3)
​

☆90回記念夏の甲子園コラム5 「  夢は甲子園  ~ 桐生一 ~ 」☆

開幕直前の7月31日。桐生第一の2年生野球部員が逮捕されるという不祥事が発生し、出場か、辞退か、物議を醸す事態となった。高野連は出場を容認し、選手達は、無事、夢の舞台でプレーできることになった。連帯責任を不適とした今回の高野連の判断を支持したい。私は、全ては甲子園に立つ為に厳しい練習に耐え、実現した球児の夢を連帯責任という非合理的で不透明なジャッジで奪うべきではないと考えている。

これまでの高野連は不祥事に対し、厳格で、チームに対し連帯責任を適用して、チーム全体を処分する傾向が強かった。
記憶に新しいのは、第87回大会の開幕直前に高知・明徳義塾が急遽出場辞退したケースだ。当時は複数の部員が関与し且つ高野連への報告を怠ったことにより悪質性が高いものという判断があった。
今回の桐生第一の場合、逮捕された2年生部員は甲子園メンバーではなく、野球部としての拘束のない時間帯での事件であり、出場差し止めには至らないという判断となり、出場できることになった。

開幕前日、午後4時、出場容認の一報が桐生一宿舎に伝わると、選手達は涙を浮かべたという。高校球児、いや、野球少年も含め、春、夏の全国大会は、単なる全国大会ではない。“甲子園大会”なのだ。
本コラム1で紹介したように、高校球児に与える甲子園の影響力は強い。仮に、今回、出場を認めないという判断が下った場合、逮捕された野球部員と目前で夢を絶たれた選手らの人生を大幅に狂わせる可能性は高かった。
甲子園出場を果たす球児の高校生活は、“全ては甲子園の為に”ある。甲子園とは全てを超越した特別の存在なのだ。

今日、登場した桐生第一は、惜しくも敗れ去ったが、事件の影響があったかどうか。

開会式の入場行進。甲子園のスタンドから一際大きく温かい拍手が桐生第一ナインに送られた。球児達の甲子園への思いは誰よりも甲子園のスタンドはわかっている。
「それが甲子園だ」。
(了)

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8/6/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会5(2008年夏)

第5日1回戦

☆大会第5日 8月6日(水) 今日の甲子園!☆
―1回戦― ( )内は出場回数
①清峰(長崎・3)11-3白鴎大足利(栃木・3) 
清峰:2本塁打含む13安打で圧倒!
白鴎大:大黒柱エース新藤捕まり、ほろ苦甲子園。

②東邦(西愛知・15)15-10北海(南北海道・34)
東邦:本塁打3発で好投手攻略!
北海:好投手鍵谷誤算。投打かみ合わず。

③大阪桐蔭(北大阪・5)-日田林工(大分・4)
2回裏途中雷雨により中止。明日大会第6日第一試合へ。


◎今日の本塁打・・・清峰・林(大会13号)、山崎(14号)、東邦・山田(15号)、小宅(16号)、
北海・池田(17号)、清峰・野々川(18号)  (参考:大阪桐蔭・有山)

☆明日8月7日(木)大会第6日の試合予定☆
―1回戦―
①大阪桐蔭(北大阪・5)-日田林工(大分・4)
②桐生一(群馬・9)-金沢(石川・12)
③広陵(広島・19)-高知(高知・12)
④浦和学院(南埼玉・10)-横浜(南神奈川・13)

☆90回記念夏の甲子園コラム5 
​「  お天道様のいたずら  ~ 大阪桐蔭 対 日田林工 ~ 」☆

今日の第3試合、大阪桐蔭対日田林工戦は、降雨ノーゲームとなり明日の第一試合に組み込まれることになった。
降雨再試合といえば、思い出される印象的な試合がある。

第85回大会(2003年)1回戦、駒大苫小牧対倉敷工戦だ。駒大苫小牧打線は序盤から倉敷工・先発陶山を捉え、4回途中までに8対0と大量リードしていた。しかし、台風による大粒の雨が一気にこの試合を幻へと流し去ってしまう。
翌日に行われた再試合では、一転、倉敷工が2回に先制し、優位に試合を進め、5対2で駒大苫小牧を下した。当時、この試合を評し、「先制点をどちらが取るかで試合の流れが決まる」という主旨のコラムを執筆した記憶がある。つまり先制した倉敷工は精神的に優位にたち、駒大は昨日とは逆に序盤でリードされる展開に、精神的に追い込まれ、甲子園初勝利を飾ることはできなかった。
前日、8点を奪った打線も、駒大の公式記録はこの試合での6安打2点だった。
しかし、駒大苫小牧は、この“お天道様のいたずら”をばねに翌年の夏の甲子園大会で春夏通じて初勝利どころか、北海道勢初の全国制覇を成し遂げた。その後の駒大苫小牧の伝説的な強さはこの再試合での敗戦という屈辱が原点ともいえるのかもしれない。

さて、同じように降雨ノーゲームとなった今日の試合。大阪桐蔭が2回裏途中までに有山の本塁打を含む4安打で4点をリードして幻の試合となった。

どちらが先制するか、あるいはどちらが切り替えて平常心でグランドに立てるか。心理的なコントロールが求められる明日の再試合。
今大会の“お天道様のいたずら”は、両校にどんな試練を与えたのか。
(了)

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8/5/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会4(2008年夏)

第4日1回戦

☆大会第4日 8月5日(火) 今日の甲子園!☆
―1回戦― ( )内は出場回数
①本庄一(北埼玉・初)5×-4開星(島根・6) 
本庄一:ブラジル人留学生・奥田のサヨナラ弾で熱戦に終止符!
開星:エース小池粘投も4失策響く無念の敗退。

②青森山田(青森・9)2-1日本航空(山梨・5)
青森山田:そつなく攻めて、投手戦制す!
日本航空:9回の好機逃し、エース・北野報われず。

③慶応(北神奈川・17)6-4松商学園(長野・35)
慶応:打線つながる12安打で快勝!
松商学園:10安打放つも序盤の失点最後まで響く。

④高岡商(富山・16)5-1大府(東愛知・3)
高岡商:投手戦も7回の集中打試合決める!
大府:エース・大野、7回突然の乱調悔やまれる。

◎今日の本塁打・・・本庄一・奥田(大会12号)

☆明日8月6日(水)大会第5日の試合予定☆
―1回戦―
①白鴎大足利(栃木・3)-清峰(長崎・3)
②東邦(西愛知・15)-北海(南北海道・34)
③大阪桐蔭(北大阪・5)-日田林工(大分・4)

☆90回記念夏の甲子園コラム4 「  半世紀の時を越えて  ~ 慶応 ~」!☆

99校が参加した激戦区、北神奈川を制し、甲子園出場を果たした慶応。実に46年ぶりの甲子園だ。まだ豊中球場で開催されていた大正5年の第2回大会で優勝を飾り、以降、17回の全国舞台を誇るが、ここ半世紀近く、夏の甲子園のスコアボードに慶応の文字が刻まれることはなかった。

200校を超える全国再激戦区・神奈川から甲子園出場を果たすのは至難の業。決勝の東海大相模戦では延長13回にもつれ込む死闘となったが、9回に同点とすると延長13回に勝ち越し、悲願の春夏連続出場を果たした。

前回出場した、昭和37年第44回大会も、奇しくも今日と同じ長野勢の長野を下し、初戦を突破した。2回戦では、春夏連覇を果たした作新学院に完封負けを喫している。以降、夏のリベンジは果たせないでいた。

今日の松商学園戦。自慢の投手陣が粘り、つなぎの打線が奏功し、この夏初勝利を挙げた。
半世紀近い時を超えて掴み取ったリベンジの夏。時計の針は動き始めた。
(了)

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8/4/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会3(2008年夏)

第3日1回戦

☆大会第3日 8月4日(月) 今日の甲子園!☆
―1回戦― ( )内は出場回数
①関東一(東東京・4)13-5常総学院(茨城・12) 
関東一:取りに取ったり13点。4番江川は1本塁打7打点、春の雪辱!
常総:相手上回るもつながり欠く17安打。木内監督復帰後初甲子園も白星ならず。

②鳴門工(徳島・5)4×-3本荘(秋田・4)〔9回サヨナラ〕
鳴門工:9回の攻防制した2年生主体のサヨナラ劇!
本荘:9回表の逆転劇もつかの間、球運すり抜けた。

③浦添商(沖縄・3)7-0飯塚(福岡・初)
浦添商:150キロ右腕・伊波、三振なしも無四球完封!
飯塚:エース辛島誤算。最後までペースつかめず。

④千葉経大付(千葉・3)3-1近大付(南大阪・4)
千葉経:豪腕・斉藤、好投光る。春の4強、まずは初戦突破!
近大付:9回意地の本塁打も反撃遅し。

◎今日の本塁打・・・常総・土肥(大会7号)、関東一・江川(8号)、常総・飯田(9号)、鳴門工・安岡(10号)、近大付・亀山(11号)、

☆明日8月5日(火)大会第4日の試合予定☆
―1回戦―
①本庄一(北埼玉・1)-開星(島根・6)
②青森山田(青森・9)-日本航空(山梨・5)
③慶応(北神奈川・17)-松商学園(長野・35)
④大府(東愛知・3)-高岡商(富山・16)

☆90回記念夏の甲子園コラム3 「  縁の下の3年生  ~ 鳴門工  ~」!☆

鳴門工はレギュラー中、6人が2年生という若手主体のチームだ。

今日の本荘戦で放った7安打中、6安打が2年生のバットから、9回裏のサヨナラ打も2年生が決めた。
最終学年でない2年生は、時に経験不足で脆さもある反面、思い切りのよさが勢い発揮する。今年のチームは後者がうまく作用した結果の3年ぶりの甲子園だろう。

そんな2年生主体のチームだが、3年生もこの夏、意地を見せている。
戦前、若い強打線が持ち味と評されて挑んだ徳島大会。光ったのは実(みのる)、林の2人の3年生投手陣だった。3回戦・徳島北戦の延長10回の勝利を呼び込む粘投、準決勝・鳴門一戦で実が3失点完投すると、決勝では昨夏出場の徳島商を4安打完封し、3年ぶりの甲子園を決めた。

厳しい練習で知られる鳴門工だが、今年の3年生は入学当初20人だったものの、10人に半減した。関係者からは、「史上最も能力のない学年」等と揶揄された。
背番号14のキャプテン・林も後輩にレギュラーを奪われた一人だ。しかし、選抜のかかる秋季大会で1回戦敗退するなどしたチーム力を受け止め、人一倍嫌われ者に徹し、チームを鼓舞し続け、甲子園出場にまで若い2年生と控えの多い3年生をまとめ上げた。

高校野球は学年ごとに戦力は変わり、低迷する年もある。
しかし、今年の鳴門工の2年生主体の快進撃の陰には、最後の夏に意地を見せる“縁の下の3年生”の存在が欠かせない。
(了)

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8/3/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会2(2008年夏)

第2日1回戦

☆大会第2日 8月3日(日) 今日の甲子園!☆
―1回戦― ( )内は出場回数
①鹿児島実(鹿児島・16)14-1日大鶴ヶ丘(西東京・2) 
鹿実、猛打爆発14安打14得点。第80回記念大会以来夏勝利!
日大、西東京大会で見せた強力打線が沈黙。18年ぶりの校歌はお預け。

②宮崎商(宮崎・4)7-1城北(熊本・3)
宮崎商、注目左腕・赤川と打線噛合い、44年ぶりの夏1勝!
城北、打線が赤川を攻略できず、春に続く初戦敗退。

③智弁学園(奈良・15)5-4近江(滋賀・10)
接戦を制した智弁。エース阪口、9回打球受けながらの粘投実り辛勝!
近江、9回見事な猛攻もあと1点及ばず。

④報徳学園(東兵庫・13)4×-2新潟県央工(新潟・初)〔9回サヨナラ〕
報徳、9回サヨナラ本塁打で決着。エース近田甲子園初勝利!
県央工、常連報徳追い詰めた。初陣大健闘!

◎今日の本塁打・・・鹿実・田野尻(大会2号)、近江・上田(3号)、智弁・茂山(4号)、
報徳・氏家(5号)、井上(6号)

☆明日8月4日(月)大会第3日の試合予定☆
―1回戦―
①常総学院(茨城・12)-関東一(東東京・4)
②本荘(秋田・4)-鳴門工(徳島・5)
③浦添商(沖縄・3)-飯塚(福岡・初)
④千葉経大付(千葉・3)-近大付(南大阪・4)

☆90回記念夏の甲子園コラム2 「地域が燃えた初めての夏 ~ 新潟県央工 ~」!☆

春夏通じて初めて甲子園にやってきた新潟県央工。

エース・石田が持ち味を発揮し5回終了時で2-0とリード。甲子園優勝経験のある報徳学園を相手に互角に、いやそれ以上に戦うものの、6回に同点とされると、地元兵庫勢の活き上がる報徳に流れを引き戻され、9回のサヨナラ弾で力尽きた。

しかし、初陣校の健闘は試合内容だけではない。攻守交替や打席の交代は全力疾走、守備でもアウト毎の内野陣によるボールまわしを行わない等、高校生らしいきびきびとした動きを見せた。

新潟県三条市から初めての甲子園出場。野球弱小地域と見られていた、地域そして関係者は一体となって大舞台に選手を送り出した。
吹奏楽部がない同校は、新潟大会を声の応援だけで勝ち上がってきたが、甲子園ではそれでは味気ないと、吹奏楽部のある同じ三条市の三条東高校に要請し、合同でのアルプス応援となった。しかし、メインはやっぱり声による応援。報徳の手馴れたブラスバンドにも負けない大音量で選手たちを勇気付けた。
選手たちも「地域の野球レベルを見せ付けたい」と全力で普段の実力を発揮した。

試合後、多くの県央工応援関係者と同じ車両に乗り合わせた。
その一人が「(試合終了後)選手たちが応援団に頭を下げた時、胸が熱くなった。いい夢を見させてもらい感謝。」というメールを知人に充てた。「負けたけど、互角に戦った」という返信メールも届いた。
県立校の躍進ぶりは多くの地域・学校関係者、そして全国の普通の公立校球児に勇気を与えた。

試合開始前は馴染みのない初出場校。しかし実力もさることながら、きびきびとした高校生らしい見事な戦いぶりに、試合後には甲子園のスタンドは地元・報徳以上の拍手喝さいを浴びせた。

三条市が燃えた県央工の甲子園出場の夢は終わった。しかしその瞬間から甲子園初勝利という夢が始まった。
(了)

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8/2/2008 0 Comments

第90回全国高等学校野球選手権記念大会1(2008年夏)

第1日1回戦

☆大会第1日 8月2日(土) 今日の甲子園!☆

第90回全国高等学校野球選手権記念大会が開幕。今年は記念大会とあって例年より6校多い55代表校が堂々と行進。開会式では福知山成美の椎葉一勲主将が「日本中に高校野球のすばらしさを伝えることを誓います」等と力強く選手宣誓した。今大会は90回の記念大会とあって、例年以上に早朝から多くの高校野球ファンが甲子園に詰め掛けた。また、開会式に先立って、記念イベント「甲子園レジェンズ」が開かれ、桑田真澄氏(PL学園)、坂東英二氏(徳島商)、芝草宇宙氏(帝京)、太田幸司氏(三沢)、中西太氏(高松一)ら往年の名選手が出場当時のユニフォーム姿で登場。当時の思い出、球児・子供達へのメッセージを語り、子供達とキャッチボールをする等し大会に花を添えた。


―1回戦― ( )内は出場回数
①駒大岩見沢(北北海道・4)8-6下関工(山口・初) 
春に続く開幕試合でヒグマ打線爆発。駒大岩見沢、夏初勝利!
初出場・下関工、終盤の追い上げは見事。
②智弁和歌山(和歌山・16)3-0済美(愛媛・3)
強豪・名将対決は智弁和歌山に軍配。注目・智弁坂口3安打に左腕・岡田完封!
強打の済美、最後まで反撃の糸口つかめず。
③木更津総合(千葉・2)6-1鳥取西(鳥取・23)
投手戦から一転、木更津総合終盤8回の集中打で突き放す!
鳥取西、左腕・鈴木好投も終盤力尽く。

◎今日の本塁打・・・鳥取西・小畑(大会1号)

☆明日8月3日(日)大会第2日の試合予定☆
①日大鶴ヶ丘(西東京・2)-鹿児島実(鹿児島・16)
②城北(熊本・3)-宮崎商(宮崎・4)
③智弁学園(奈良・15)-近江(滋賀・10)
④新潟県央工(新潟・初)-報徳学園(東兵庫・13)

☆90回記念夏の甲子園コラム1 「敗れし者の甲子園」!☆

南大阪大会決勝戦、PL学園対近大付戦は追いつ追われつの白熱の戦いとなった。決着は12回裏、PL学園里村遊撃手の一塁送球が悪送球となりPL学園はサヨナラ負けを喫した。突然、PLナインの甲子園への夢に非情な幕切れを告げられた。近大付ナインが歓喜の輪を描く間、PLの選手達はグランドにうずくまり立ち上がれない。審判に抱えられ、励ましを受けながらようやく整列までたどり着く選手も。
4059校が参加した今地方大会では、そんな光景が数多く繰り広げられた。

夢敗れし者にとっての甲子園―。
最後の夏、敗れ去った者には人生でもう甲子園に出場する夢は叶わない。しかしプロ野球や大学野球で野球人生を見返す者、甲子園を目指したことを誇りにその後の人生を歩む者等、甲子園は高校野球をする者にとってその後の人生にも永く影響を与えている。

今日、55代表校が甲子園の土を踏みしめた。選手たちの入場行進を見ていると、今年負けたPL学園の光景が脳裏をよぎり、また自分の高校最後の夏もフラッシュバックする。出場選手の行進の一歩一歩の歩みは90回に及ぶ多くの夢破れし球児達の思いも原動力となり、突き動かすものであるように感じられてならない。

高校野球は、歴史を刻めば刻む程、その分、多くの敗者を生み出す。その繰り返しが「甲子園」という舞台に尊さが増している。

夏の甲子園、90回の歴史。
それは、夢破れし球児達の歴史でもある。
(了)

- 球児とともに白球を追う KAIスポ!-

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