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YOUR CART

高校野球「銀傘の陰から」



​From the Shade of the Silver




​Umblella in Koshien Stadium

8/25/2007 0 Comments

第89回全国高等学校野球選手権大会(2007年夏)

編集後記 大会を終えて

                     ~ 銀傘の陰から ~
 
 第89回全国高等学校野球選手権大会が無事に閉幕しました。今大会は決勝戦を含め大会15日間中9日間を視察しましたが、接戦が多く、すばらしい感動を与えてくれました。今年、最も注目された中田翔選手擁する大阪桐蔭が地方大会で敗退し、少々寂しさのある中、大会が始まりました。しかし、高校野球は“怪物”が魅了するのではなく“試合そのもの”が魅了するものであることを実証してくれました。決して作られたものではない、「若人のぶつかり合い」こそが接戦だろうが、大差がつこうが観るものに自然と拍手を贈らせるのでしょう。

 夏の頂点を決める決勝戦もまれにみる好試合となりました。結果は甲子園の大観衆を味方にした佐賀北が見事な逆転勝ちで初優勝を飾りました。野球エリートではない県立普通科の選手達が一戦一戦力をつけ勝ち上がりました。高校生は3年間で見違える程成長しますが、佐賀北を始め今大会は一戦、一日毎に成長している姿を実感しました。
 

 決勝戦を含め、田舎の県立校の快進撃に甲子園の観衆は佐賀北に味方する試合が多いかたちとなり、帝京や広陵等の対戦相手の選手達には厳しい戦いを強いられるものとなりました。しかし、それは彼らの実力を認めているから起こる甲子園独特の雰囲気でもあります。私学にいくことは、公立よりも厳しいレギュラー争いがあり、勇気のいることであると見るものも知る必要があり、私学、公立で区別するのではなく、目の前の試合を賞賛する姿勢を学ばなくてはなりません。

数ある印象に残るプレーの中から2つ程、ご紹介します。

決勝戦の広陵高校の攻撃

 逆転された9回表の広陵高校。先頭打者の林君は最悪のムードの中、三遊間を破り出塁しました。次打者の犠牲バントで2塁をまわり一気に3塁を狙いましたが、惜しくもアウトになりました。無謀な走塁ではありましたが、果敢に勝負に出でベンチに戻る林君に1塁側スタンドは拍手を贈りました。佐賀北への大歓声で消された為、テレビを観ている方は気づかなかったと思いますが、あの空間ではそうことがあったのです。


準々決勝の帝京高校の守り

 8回表の守備で、二遊間へのゴロを二塁手・上原君が遊撃手・杉谷拳士君にグラブトスし、さらには杉谷君からのショートバウンド送球を一塁手・中村君が好捕し打者走者をアウトにするという見事な連係プレーがありました。
 ここでは詳述しませんが、野球に精通しているものからすると、単に見た目のうまさだけではなく、もっと奥深いレベルの高さを感じさせるプレーでした。このときばかりは球場全体で、芸術的プレーを称えました。

 間違いなく、広陵高校や帝京高校も強いチームでした。


さて今年の高校野球は特待生問題で揺れ、春季大会を選手、学校が出場辞退するケースが相次ぎました。特待生制度を今更、急に問題視し、混乱を来した高野連の対応には何ら準備、計画性がなく特待生制度や野球留学は即悪という短絡的な発想から短絡的な対応に終始したことは否めません。
 甲子園大会のルーツは時の高校生の手によって生まれたという歴史性を考えると、一年のほとんどを事務所で過ごし、お腹が出ている役員が決めるのではなく、グランドで汗する高校生が決めるべきものであるという視点で考えるべき問題です。

 本紙の考えは下記。
 甲子園が野球留学や特待生制度を利用してでも目指すべき価値がある舞台であることを前提に

 ①記念大会だけではなく、神奈川、大阪、愛知等学校数の多い地区の出場校を増やすこと
  ⇒4000校以上に登る学校を制度で管理するよりも、出場校数増加に伴う運営の問題点を解決する方が、余程、現実的で合理的であること。野球留学や特待生制度を規制することによる学問・居住の自由を認めている憲法等の問題にも影響しない。

 ②野球留学や特待生制度を即悪という発想ではなく、善と悪の視点をバランスよくもち、議論すること
  ⇒野球留学や特待生制度をとっても甲子園に出場できない選手や学校はある。佐賀北のように公立で地元の選手だけで勝ち上がる例もある。また、野球後進地域の活性化をもたらす側面もある。まずやるべき優先順位は強い地域と弱い地域、強い学校と弱い学校がなぜ発生するのかを客観的に検証していく作業をなくして議論しても意味がないということ。強い理由は何だったのか、選手を集めたからか、指導方法がよかったのか、指導がいいのであれば、どのような練習を積んできたのか。そういったことを心身両面で分析していくことが大事であり、その結果を高校野球の財産していくべきだ。

 野球留学や特待生制度の問題等関係なく、今年の高校野球・甲子園でも多くの刺激を与えてくれました。他の高校生が遊んでいる中で彼らは監督に怒鳴られ、苦しい練習に耐え、仲間を信じ、ただひたすら甲子園への険しい道を歩んで来たのです。多くの人達は、「高校野球=甲子園大会」であると思っています。しかし、甲子園の戦いは、代表49校で行われるごく一部の高校野球にすぎません。ごく一部の戦いですらこんなにたくさんの接戦や感動があります。つまり、地方大会で涙した4032校にはどれだけ壮絶で切ない、無情な戦いがあったことでしょう。甲子園は、4032校もの涙によってその尊さが増し、そして目指すべき価値のあるものにしているのです。

 決勝戦の翌日、大阪地方では雨が降りました。今大会はほとんど雨がなく、猛暑と炎天下の中、試合が消化されグランドは荒れていました。そんな頑張った球場をクールダウンさせました。熱戦の後でお天道様も粋な計らいをするものです。
 もやは恒例のコメントとなりましたが、今年も、年に2回も白球を追うひたむきさと刺激を与えてくれ、人として原点回帰させてくれる球児達に心から感謝し、今後も高校野球、甲子園の文化が続いていくことを切に祈りたいと思います。

 最後に今大会もKAIスポ・夏の甲子園コラムを“ご購読”頂いた皆様に深く感謝申し上げます。まだまだ残暑が厳しい日が続いておりますが、皆様どうぞお体ご自愛頂き、ますますご発展されますことをお祈り申し上げます。

 -2007年8月25日 KAIスポーツ新聞社・夏の甲子園取材班-
☆☆☆ 2007年秋 甲子園リニューアル開始! 歴史・伝統そして新時代へ KAIスポ!! ☆☆☆
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8/22/2007 0 Comments

第89回全国高等学校野球選手権大会15(2007年夏)

第15日決勝

大会第15日 8月22日(水)の試合結果
―決勝―
佐賀北5-4広陵
☆今日の本塁打・・・佐賀北・副島(大会第24号)

☆今日の甲子園!☆
今日は決勝戦。5万人の大観衆が見つめ、後押しする中、接戦の多い今大会を象徴するような大熱戦が行われた。
高校野球、甲子園の代名詞となるような試合に終盤には大観衆が試合に参加するかのような拍手・喝采で選手を盛り上げ、沸きに沸きかえった決勝戦となった。

【戦評】
 決勝戦はお互い初優勝を目指す対戦。佐賀北は2回目の出場で今大会に甲子園初勝利を挙げ決勝に勝ち進んだ。広陵は春の優勝は3回も夏は初優勝を狙った。
 佐賀北が8回にそれまでの4点差の劣勢を一気にひっくり返した。0-4で迎えた8回、2連打と四球で満塁とし、2番井出が押出し四球を選び1点を返し、続く副島が逆転満塁本塁打を放ち、劇的な初優勝を飾った。
 試合は7回まで広陵エース・野村に1安打に抑えられる苦しい展開だったが、2回途中からロングリリーフとなったエース・久保が踏ん張り、8回の逆転につなげた。久保は7回に失点し、連続無失点回は34回1/3となったが、再三走者を背負いながらも要所を締める粘り強さは決勝でも発揮した。
 広陵は2回に佐賀北先発・馬場を攻め、4安打を集め2点を先制。7回にも投手・野村の2塁打で2点を追加。エース・野村も被安打5の12奪三振と内容では勝っていただけに、切れと制球を欠いた8回の1イニングが悔やまれる。

☆☆☆ 佐賀北 優勝への軌跡 ☆☆☆
1回戦:2-0福井商、2回戦:4-4宇治山田商(延長15回引き分け)、再試合:9-1宇治山田商、3回戦:5-2前橋商、準々決勝:4-3帝京(延長13回)、準決勝:3-0長崎日大、決勝:5-4広陵

 
☆今日のKAIスポ・コラムは?!☆
劇的な逆転満塁本塁打での優勝劇。最高潮に盛り上がった決勝・ドキュメント!!
​

89回目の夏、球運、クライマックス ( 決勝戦・ドキュメント ) 

7回を終わって0対4。広陵エース・野村の前に、1安打に10三振。4回から7回まで一人の走者も出せない。三者凡退が5イニング。6回から7回にかけては4者連続三振。佐賀北は最悪の流れで奇跡の8回裏を迎えた。一方で広陵は優勝が見えてきた中で魔の8回裏を迎えた。とにかく、8回裏の入口はそういうことだった。

 この回、7番江頭が三振。1死から、8番久保が打席に入る。今大会、久保は無安打と打撃では全く精彩を欠いていた。しかし、三遊間をしぶとく破り、ガッツポーズで1塁へ走る。今大会の佐賀北の注目ぶりで観衆も久保の初安打に拍手が起こる。何かが、変わりゆく予兆だった。
 続いて、9番馬場崎の代打、新川がライト前で続く。新川はバット引きの役割を果たす地味な功労者だ。

 毎年、決勝戦は独特のムードの中行われるが、佐賀北の快音が聴かれない展開の中、久保、新川の連打は、甲子園のボルテージを上げるには十分だった。
 バックネット裏の3塁側から内野席、アルプスを越え、遠くレフトスタンドまでが佐賀北大応援団と化す。アルプスのマーチに合わせた特大の手拍子が雪崩れのように、広陵エース・野村に覆いかぶさる。

 7回までとは違う甲子園。

 小気味のいいテンポが持ち味の野村のリズムを大応援団の大音量がかき消していく。それまで、捕手からの返球を受けて5秒程度で投球していた野村。自分のリズムよりももっと早く刻まれるスタンドの手拍子が投球のリズムを狂わせていく。リセットするために深呼吸しても途切れることのない手拍子は何度もそのリズムを狂わせる。

 1番辻は四球で満塁となり、井出には押出し四球。

 制球のいいエースには似つかない光景の中、今日、2三振の佐賀北のキーマン・副島が右打席に入った。
 
 
 初球、スローカーブをファウル。2球目は見せ球のインハイ直球。そして3球目。


 捕手・小林のミットに収まるはずのスライダーは副島の一振りでレフトスタンドへと行く先を変えた。


 広陵バッテリーは、過去の打席でスライダーにタイミングがあっていない副島に安全策を選択した。しかし、副島視点でみれば、過去のスライダーの凡退で何球もスライダーの軌道を見て、振ってきているということなのだろう。
 しかし副島を含め、一気に4人がホームを駆け抜ける事態を誰が予想できたか。
 5万人が驚愕した1球で、1振りで、1イニングでの逆転劇。今度は3塁側だけでなく、360度のすり鉢スタンドが放つスタンディングオベーション。ある観客の女性がつぶやく。「この試合は最高の宝物。(この雰囲気は)昨年の早稲田実業を超えている」。



 甲子園、89回目の夏。今大会も球児達の勝ちたい気持ちが本気だからこそ魔物は現われ続けた。
​(了)


 

【優勝校・佐賀県立佐賀北高校】
1963年創立。野球部も創立と同時に創部。同じ県立の神埼高校を2001年春夏甲子園に導いた百崎敏克監督も同校出身。夏の甲子園は7年ぶり2回目。春は出場なし。前回初出場時は初戦で横浜高校に1対12で敗退。しかし今大会は勝てるチームで甲子園に登場。開幕試合で福井商を完封。宇治山田商を再試合で破り、強豪・帝京をサヨナラ勝ち。そして決勝は逆転満塁弾と旋風を巻き起こした。また一方で163㎝の左腕・馬場と制球のいいエース・久保の好投が光った。佐賀県勢としては76回大会の佐賀商以来13年ぶり2回目の快挙。全国の公立校に夢を与える見事な優勝劇だった。

89回目の夏も最高の宝物。
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8/21/2007 0 Comments

第89回全国高等学校野球選手権大会14(2007年夏)

第14日準決勝

大会第14日 8月21日(火)の試合結果
―準決勝―
①広陵4-3常葉菊川 ②佐賀北3-0長崎日大
☆今日の本塁打・・・広陵・土生(大会第22号)

☆今日の甲子園!☆
準決勝2試合が行われた第14日。たくさんのドラマを生んできた89回大会を締め括るファイナリストが決まった。


 第1試合は広陵と常葉菊川の対戦。広陵が序盤の得点で主導権を握り、粘る常葉菊川を振り切った。1回にいきなり土生の本塁打で先制すると、2回にも敵失で加点し流に乗り、4回、8回にも1点づつ追加した。エース野村は12安打されるも、得意のスライダーを効果的使い12三振を奪い完投。常葉学園菊川は8回にようやく1点を返すと、9回2死から3連打で1点差まで詰め寄ったが反撃が遅すぎた。しかし、春の優勝校として最後まで粘りを発揮した。広陵は40年ぶり3回目の決勝進出。

 第2試合は佐賀北対長崎日大の対戦。佐賀北の馬場、久保の投手陣が完封した。
 佐賀北は馬場のスクイズで先制。四回には暴投で1点。七回には辻の左犠飛で加点。4安打で3点に結びつけ効率的に得点した。先発の馬場は7回3安打無失点の好投。今大会無失点の久保は2回を投げ今日も無失点投球。
 長崎日大は散発5安打で守備のミスでの失点が響いた。佐賀北は初の決勝進出。

☆今日のKAIスポ・コラムは?!☆
決勝前夜。甲子園は今、この夏のクライマックスを前に静かな夜を過ごしている。そして何を想う。


☆大会第15日 8月22日(水)の試合予定☆
―決勝-
広陵-佐賀北
☆広陵の勝ち上がり・・・1回戦:4-5駒大苫小牧、2回戦:14-2東福岡、3回戦:8-2聖光学院、準々決勝:7-1今治西、準決勝:4-3常葉菊川
☆佐賀北の勝ち上がり・・・1回戦:2-0福井商、2回戦:4-4宇治山田商(延長15回引き分け)、再試合:9-1宇治山田商、3回戦:5-3前橋商、準々決勝:4-3帝京(延長13回)、準決勝:3-0長崎日大

決勝予想は両校優勝

決勝の顔合わせは、伝統校・広陵と劇的旋風を巻き起こす佐賀北の対戦となった。

昨日のコラム「4強の風」で紹介したとおり、広陵は安定感がナンバーワンのチーム。そして佐賀北は勢いがナンバーワンのチームだ。

記者の予想は、広陵が有利とみる。広陵は投打にバランスがよく、昨夏の準優勝校・駒大苫小牧と今選抜の優勝校・常葉菊川を下しており実力は備わっている。特にエースの野村のスライダーは、今大会春にもまして切れがよく、投球の間合いの短い小気味いいピッチングが守備や攻撃にもリズムをもたらす。攻撃は土生を中心によく振れており、5試合中4試合で二桁安打を放った。佐賀北投手陣が制球を乱せば、一気に試合を決める展開もありそう。

佐賀北の強みは延長引き分け再試合や延長サヨナラなど劇的な試合を見せており勢いは想像を超える。ノーマークの県立校の快進撃に甲子園の観衆も味方する。この勢いは広陵にとっては脅威だ。投手力は、馬場と久保が安定した投球をみせているが、明日は序盤に失点しても落ち着いて投げられるかどうかも鍵を握る。攻撃は、今大会2本塁打の3番副島が野村を打てるかどうか。スイングの速さやチャンスでの集中力は目を見張るものがあり、今大会の活躍でプロも注目し始めたと予想している。何とか走者をおいて副島にまわしたい。

明日の決勝戦は順当にいけば、広陵に分があるが、球場を味方に戦う佐賀北の勢いはあなどれない。
伝統校対新鋭校。予想はしても外れることも予想する。
(了)
夢、希望、甲子園、全てをかけて、
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8/20/2007 0 Comments

第89回全国高等学校野球選手権大会13(2007年夏)

第13日準々決勝

大会第13日 8月20日(月)の試合結果
―準々決勝―
①長崎日大7-1楊志館 ②常葉菊川6-1大垣日大
☆今日の本塁打・・・常葉菊川・石岡(大会第21号)

☆今日の甲子園!☆
準々決勝残り2試合が行われた第12日。九州対決に、選抜決勝再戦と今日も、それぞれの思いが甲子園で交錯した。


 第1試合の長崎日大と楊志館の九州対決は試合巧者・長崎日大が快勝。1回表、長崎日大は犠飛と2連打で2点を先制し、3回にも出口の三塁打と曲渕の犠飛で1点。5回から7回にかけても安打と犠打を絡め効率よく得点を重ねた。エース・浦口は得意のスライダーを武器に8回途中までで8奪三振の1失点と好投。初出場でベスト8まで勝ち進んだ楊志館だったが、浦口の前に1回に敵失で挙げた1点だけにとどまった。長崎日大は初のベスト4進出。


 第2試合は49年ぶりに選抜決勝と同じ組合せとなった常葉菊川対大垣日大。選抜優勝の常葉菊川が雪辱を期す大垣日大を返り討ちした。常葉菊川は、3回に先制を許したが、5回、石岡の適時3塁打で同点とし、伊藤の右前適時打で逆転。8回にも石岡の本塁打等で3点を加点し駄目を押した。エース・田中は被安打4の1失点完投。大垣日大は、3回に吉岡の適時打で先制したが、その後は田中を捉えられなかった。常葉菊川は初のベスト4進出。

☆今日のKAIスポ・コラムは?!☆
いよいよベスト4が出揃った甲子園。頂点まであと2つ。コラムは恒例の「4強の風」!!


☆大会第14日 8月21日(火)の試合予定☆
―準決勝-
①常葉菊川-広陵 ②佐賀北-長崎日大

​

~ 4強の風 ~ ( ベスト4の顔触れ )

☆佐賀北
開幕試合完封勝ち、2回戦引き分け再試合、3回戦は逆転勝ち、準々決勝は延長サヨナラとミラクル続く快進撃。勢いは4強中、断突ナンバーワン。野球留学等関係ない田舎の県立校の活躍に甲子園の大観衆も後押しする。残ったミラクルは決勝進出そして…。


☆長崎日大
長崎大会ノーシードから甲子園4強まで勝ち進んだ長崎日大。甲子園1試合平均失点2は4強中、ナンバーワン。率いる金城孝夫監督は71回選抜大会で沖縄尚学を沖縄県勢春夏通じて初優勝に導いた名将。今大会の“エースで4番”の中で最後まで残った左腕・浦口を擁し、今度は長崎県勢春夏通じて初優勝を目指す。


☆広陵
北の王者、駒大苫小牧を倒し勢いづいた広陵。2回戦、3回戦、準々決勝と投打噛み合い安定感はナンバーワン。3回戦では、体調不良で中井監督不在の中、日頃から培った自主性野球で快勝。春の優勝3回の名門も夏となれば初めて。選手と監督の絆深まり、夏の大旗獲りが見えてきた。


☆常葉菊川
2回戦で夏の挨拶代わりの2本塁打、3回戦では2年生のラッキーボーイが同点弾、準々決勝ではセンバツ決勝対決で燃える大垣日大を返り討ちする駄目押し弾。ここ一番で放つホームラン数はナンバーワン。センバツで見せた逆転勝ちは夏も健在。一瞬で相手の夢砕くホームランは史上6校目の春夏連覇の夢運ぶ。
​(了)

勝ちたい気持ちを白球に込めて、
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8/19/2007 0 Comments

第89回全国高等学校野球選手権大会12(2007年夏)

第12日準々決勝

大会第12日 8月19日(日)の試合結果
―準々決勝―
①佐賀北4×-3帝京(延長13回)②広陵7-1今治西
☆今日の本塁打・・・佐賀北・副島(大会第20号)

☆今日の甲子園!☆
準々決勝最初の2試合が行われた第12日。8強の戦いの幕開けは壮絶な延長戦となり、炎天下の甲子園は沸いた。また第1試合終了後には準決勝の組合せ抽選が行われた。


 第1試合は、佐賀北と帝京の対戦。佐賀北は3番副島の本塁打等で序盤に3点を奪ったが、帝京も2回に1点を返し、4回に6番長田の適時2塁打で2点をと取り追いついた。以降は両校投手陣が好投し、延長に入った。延長に入っても一進一退の攻防が続いたが、佐賀北が13回裏、2死からの3連打でサヨナラ勝ちし、3時間12分の熱戦を制した。佐賀北は6回から先発・馬場を救援した久保が要所でスライダーが冴え無失点リリーフ。今大会の連続無失点イニングを27に伸ばした。帝京も3回から登板した垣ヶ原が好投し反撃を待ったが、延長に入ってからの2度のスクイズ失敗が痛かった。佐賀北・久保、帝京・垣ヶ原の投げ合いや両校守備陣の好守等が随所にあり、見ごたえのある好試合だった。佐賀北は初のベスト4進出。

 第2試合は、広陵と今治西の対戦。広陵が今治西の好投手・熊代を中盤以降攻略。10安打で7得点し快勝した。広陵は4回に5番山下、6番林の連打で2点、5回は櫟浦、土生の適時打で2点、7回にも2安打に相手守備の野選等で好機を広げ3点を加えた。広陵エース・野村は、8回被安打9で12奪三振。再三走者を背負ったが要所を締めた。今治西は、初回エースで4番の熊代の2塁打で先制。その後も9安打を放ったが好機で野村にかわされた。熊代も連戦の疲れか、中盤に広陵打線につかまった。広陵は40年ぶりのベスト4進出。


☆今日のKAIスポ・コラムは?!☆
ここまで完勝続きの東の横綱がまさかの敗退!甲子園のこわさがまた縦縞を襲った!!


☆大会第13日 8月20日(月)の試合予定☆
―準々決勝-
①長崎日大-楊志館 ②常葉菊川-大垣日大

☆大会第14日 8月21日(火)の試合予定☆
―準決勝―
①常葉菊川・大垣日大の勝者-広陵 ②佐賀北-長崎日大・楊志館の勝者

魔物は棲む ( 帝京 )

これが甲子園の魔物なのか?

 接戦の多い今大会。多くの試合を甲子園で視察した中で、最も優勝に近いチームは帝京と考えていた。
3回戦までの3試合で走攻守3拍子揃ったレベルの高さを見せていたからだ。
投手力では、智弁学園を完封した安定感抜群の左腕エース・垣ヶ原、選抜で20奪三振の右の本格派・大田、そして最速148キロで神村学園戦を完投した2年生・高島と他校ではエース級の投手が三枚。守ってはここまで3試合で失策1の堅守。
打撃では、高校通算60本塁打の中村を中心に3試合連続二桁安打。1試合平均7得点。伝統的にパワフルな長打力の印象が強い打線だが、機動力を存分に絡めコンパクトな振りでチームバッティングでつないでいく。3試合で三振はわずかに1個は驚異的な数字だ。

 また、そんな高い技術に加え、昨夏、ベスト8で智弁和歌山に喫した逆転負け、今選抜準決勝での1点差負けの雪辱を期すべく挑んだ今大会に精神的な強さが備わっていると考察したことも大きい。

帝京は、戦前の前評判の高い学校が入った死のゾーンを勝ち上がって今日の準々決勝を迎えた。
帝京と佐賀北の両校のこれまでの戦いを見てきた私も、大方の評論家やマスコミも帝京優勢を予想していた。いや、帝京のワンサイドゲームを予想する向きも多かったはずだ。

 そして今日の帝京もこれまでと同様、垣ヶ原の好投、無失策、二桁の12安打と勝つべく要因は揃っていた。しかし、延長13回の激闘とは言え、佐賀北に敗退した。なぜ負けたのか?
今日の試合でこれまでと違うのは3試合で1個しか奪われていない三振がこの1試合では8つ奪われたこと。しかも直球が140キロに満たない佐賀北投手陣にだ。

 ではなぜ三振を喫したのか?明確な答えはうかばない。ただ一つだけ言えることは、これまで帝京打線が順調に奏でてきた打撃の“旋律”を佐賀北投手陣が奏でた投球の旋律が微妙にその音感を狂わたこと。いや狂わせるタイプの旋律だったことと言った方が正しいか。

高校野球、特に甲子園は、時として明確な理由付けが困難な結末を迎えることがある。それが高校野球であり、甲子園なのだろう。
​(了)

甲子園には魔物が棲む。
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8/18/2007 0 Comments

第89回全国高等学校野球選手権大会11(2007年夏)

第11日3回戦

大会第11日 8月18日(土)の試合結果
―3回戦―
①今治西6-2文星芸大付 ②帝京6-0智弁学園 ③大垣日大8-3新潟明訓 ④広陵8-2聖光学院
☆今日の本塁打・・・今治西・熊代(大会第19号)

☆今日の甲子園!☆
3回戦残り4試合が行われ、今日でベスト8が出揃った第10日。第1試合終了後には準々決勝の組合せ抽選が行われ、大会13日(20日)の第2試合で今選抜の決勝の再戦となる常葉菊川と大垣日大の対戦が決まった。

 第1試合は昨年2回戦で対戦したカードの再戦となったが、昨夏に続き今治西が雪辱を期す文星を返り討ちした。今治西は、2対2で迎えた9回、4番熊代の左越ソロ本塁打で勝ち越し、さらに相手失策に2安打を絡め3点を追加し試合を決めた。エース熊代は2試合連続完投。文星はエース・佐藤が14奪三振。5回まで無安打に抑える等、完全に主導権を握っていただけに、9回の4失点が痛かった。今治西は第63回大会以来、26年ぶりのベスト8進出。

 第2試合は、帝京と智弁学園の対戦。帝京はエース垣ヶ原が8安打完封の好投。打線も3試合連続の二桁安打を放ち6得点。投打がかみ合った。2回戦で仙台育英・佐藤に打ち勝った智弁だったが、帝京・垣ヶ原の切れのいい直球とスライダーを打てなかった。帝京は2年連続のベスト8進出。

 第3試合は、大垣日大と新潟明訓の対戦。大垣日大は明訓・エース永井の不安定な立ち上がりから掴んだ好機を着実に得点に結びつけ4回までに7点を奪い勝負を決めた。2試合連続二桁奪三振のエース・森田は今日は4奪三振も打たせてとる投球が冴えた。明訓はここまで25奪三振と好投していた永井の序盤の乱調が誤算。大垣日大は初のベスト8。


 第4試合は、広陵と聖光学院の対戦。広陵が13安打8得点の猛攻で力の差を見せ付けた。聖光は、序盤投手陣が広陵打線につかまり6失点したのが大きかった。広陵は、第84回大会以来、5年ぶりのベスト8進出。

☆今日のKAIスポ・コラムは?!☆
最近はあまり見られない“エースで4番”。今大会の“ミスターエースで4番”はチームを救う!!


☆大会第12日 8月19日(日)の試合予定☆
―準々決勝-
①佐賀北-帝京 ②今治西-広陵

☆大会第13日 8月20日(月)の試合予定☆
―準々決勝-
①長崎日大-楊志館 ②常葉菊川-大垣日大

“エースで4番” ( 今治西・熊代聖人 )

今治西のエースで4番、熊代聖人。今大会、彼ほど投打に渡りチームを牽引してきた“エースで4番”はいない。

1回戦八代東戦では先制適時打に1失点ピッチング。2回戦近江戦では1対0の2安打完封。そして今日、ベスト8をかけた3回戦。昨年の2回戦の再戦となる文星芸大付戦を迎えた。

試合は、3回に2点を失うと打線も文星・佐藤の前に5回まで無安打の9三振。得点の気配どころか安打の気配すらなく全く反撃の糸口がつかめない。そして3回に失った2点のビハインド。もし野球にボクシングのようなラウンド(イニング)毎の採点があるとしたら完全に“判定負け”の展開。

しかし、3季連続出場となり、この試合が甲子園通算8試合目の登板となる「エースで4番」は落ち着いていた。味方打線が沈黙する中、たんたんと臆することなく、自慢の直球とスライダーを投じ続けた。その堂々としたマウンドさばきは、その後訪れる、同点劇と自らが放つ勝ち越し本塁打のシナリオを最初から知っているかのようだった。14三振を喫しながら今日の試合も大黒柱の本塁打がチームを救った。

文星は、圧倒的に押し続けながら、熊代の前に追加点を取れない焦りは、7回裏の投手・佐藤のスリーバントスクイズ失敗のかたちで表れた。試合後、文星の高橋監督は、2点をとった後、「3点目を取りにいって取れなかった。熊代君がよかった。」と熊代を褒めた。 熊代の存在感はリードする相手チームでさえ重圧を受ける。

スコアボードを視界から消して、今日の熊代のピッチングとマウンドさばきだけを見れば、劣勢で投げる投手のそれとは到底思えないような堂々としたもの。

今や、あまり耳にすることがなくなった「エースで4番」。最後の夏にかける今大会の“エースで4番”は、その強い存在感を放ちながら明日もマウンドとバッターボックスに立ち続ける。
(了)
エースで4番、そんな響きが懐かしい。
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8/17/2007 0 Comments

第89回全国高等学校野球選手権大会10(2007年夏)

第10日3回戦

大会第10日 8月17日(金)の試合結果
―3回戦―
①長崎日大5-4京都外大西 ②楊志館6-3開星 ③常葉菊川4×-3日南学園(延長10回) ④佐賀北5-2前橋商
☆今日の本塁打・・・常葉菊川・伊藤(大会第16号)、前橋商・佐々木(第17号)、佐賀北・馬場(第18号・ランニング本塁打)

☆今日の甲子園!☆
ベスト8をかけた壮絶な戦いが行われた第10日。

 第1試合は、長崎日大と京都外大西の対戦。3対3の同点で迎えた8回の攻防で勝負は決まった。8回表京都外大西は投手・本田の適時打で1点を勝ち越したが、その裏長崎日大は、柴田の3塁打と永田の適時打で2点を取り逆転。そのまま逃げ切った。長崎日大は第82回大会以来、7年ぶりのベスト8進出。

 第2試合は、楊志館と開星の対戦。楊志館は1点を追う6回、相手失策に5安打を絡め一挙6点を奪って逆転した。楊志館エース・甲斐は、12安打されながらも粘り強く投げ、終盤の開星も振り切った。楊志館は初めてのベスト8。

 第3試合は、選抜優勝の常葉菊川と日南学園の対戦は、常葉菊川が2年生の活躍で延長を制し、ベスト8進出を決めた。3点を追う8回、5番中川の代打・2年生の伊藤が左越3点本塁打し同点。さらに10回裏、伊藤が2死1、2塁からしぶとく2遊間を破りサヨナラ勝ちした。常葉菊川は初めてのベスト8進出。

 第4試合は、延長15回引き分け再試合を制した佐賀北が、2点を先制された直後の2回裏、投手・馬場のランニング本塁打ですぐに同点とし、その後も小刻み得点し快勝。初のベスト8を決めた。


☆今日のKAIスポ・コラムは?!☆
史上6校目、春夏連覇への道!!


☆大会第11日 8月18日(土)の試合予定☆
―3回戦(勝てばベスト8)-
①今治西-文星芸大付 ②智弁学園-帝京 ③新潟明訓-大垣日大 ④広陵-聖光学院​

春夏連覇への道(常葉菊川)

「選抜優勝校」、「春の王者」、「優勝候補」、「春夏連覇」
 今大会、そんな言葉で形容されるがチームがある。今選抜で並み居る強豪を倒し、見事頂点に立った常葉菊川だ。それまで、春1回、夏1回の甲子園出場は共に初戦敗退。甲子園未勝利の学校が一気に頂点まで上り詰めた。

 しかし、それは常に王者としての重圧を背負い続け、全国の学校から目標とされることを意味する。彼らは目の前のチームだけでなく、己に介在する見えない敵とも戦わなければならない。

 過去、春夏連覇した学校は5校しかない。夏の頂点までの道のりは大きな壁にぶつかり、少なくとも1試合は神がかり的な戦いを勝ち抜くと言われる。今日、常葉菊川は日南学園を相手に3点リードされて、「春の王者危うし」という流れから、静岡大会1試合も出場していない2年生のニューヒーローがその危機を救った。

 春夏連覇まであと3勝。

この先、“春の王者”が追い詰められる展開が訪れれば、それは偉業への軌跡を刻む予兆かもしれない。
​(了)

不器用でも一生懸命が美しい。
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8/16/2007 0 Comments

第89回全国高等学校野球選手権大会9(2007年夏)

第9日2回戦

大会第9日 8月16日(木)の試合結果
―2回戦―
①佐賀北9-1宇治山田商 ②大垣日大5-3創価 ③広陵14-2東福岡 ④聖光学院6-4青森山田
☆今日の本塁打・・・聖光学院・渡辺侑(満塁・大会第16号)

☆今日の甲子園!☆
 引き分け再試合を含む2回戦残り4試合が行われた大会第9日。今日でベスト16が出揃った。

 第1試合は、大会第7日(14日)第3試合で延長15回引き分けになった再試合。今日は佐賀北の打線が爆発し、12安打で9得点。投げては1戦目と同じ、左の馬場から右のエース久保への継投が決まり、宇治山田商打線を6安打1失点に抑えた。宇治山田商は、エース・中井が先発したが、6回に3安打に失策も加わり3失点。7回にも代わった平生が打ち込まれ4失点する等、大量失点。打線も丁寧な佐賀北投手陣に前に精彩を欠いた。再試合は8点差がついたが、試合終了後には両校に大きな拍手が贈られた。

 第2試合は、大垣日大と創価の対戦。大垣日大は5回、1死満塁から1番小川のスクイズで1点先制し、その後も3連打等で3点を追加し、この回4点。6回にも9番安井の適時打で1点を追加した。大垣日大・先発の森田は、8回に4安打を浴び3失点したが、直球の走りはよく、最速148キロで11三振を奪い、1回戦の金足農戦(15三振)に続き2試合連続の2桁奪三振。創価は8回に大声援をバックに4連打で3点を返したが及ばなかった。

 第3試合は、1回戦駒大苫小牧を破った広陵と延長サヨナラ勝ちの東福岡の対戦。地力に勝る広陵が、18安打の猛攻で14点を奪い大勝した。1回、有水の適時打で先制すると、2回には相手先発・水落の制球難につけこみ、押出し等で4点。その後も攻撃の手を緩めなかった。東福岡は、先発・水落が乱調。1回途中6四死球で降板。代わった小原も打ち込まれた。

 第4試合は、1回戦18安打の聖光学院と報徳学園を完封勝ちした青森山田の対戦。両チーム無得点で迎えた5回、聖光学院は2死満塁から3番渡辺侑が青森山田の好投手・石井のシンカーを本塁打し、一挙に4点を先取。6回、7回にも1づつ加点。青森山田の反撃を佐藤から鈴木の継投で逃げ切った。青森山田も6回以降4点を返したが、満塁本塁打による4失点が最後まで響いた。

☆今日のKAIスポ・コラムは?!☆
16強に残ったこんな顔触れ。


☆大会第10日 8月17日(金)の試合予定☆
―3回戦(勝てばベスト8)-
①長崎日大-京都外大西 ②開星-楊志館 ③常葉菊川-日南学園 ④前橋商-佐賀北
​

公立校受難の時代

一昨日、延長15回、引き分けの好試合を演じた佐賀北と宇治山田商戦。今日、再試合となった両校の戦いを見守っているとある共通点に気づいた。両校が県立高校であることだ。今大会の公立高校は出場49校中13校と3割に満たない。昨年の19校と比べても少ない。

 基本的に有力選手が集まり、専用球場や室内練習場等、恵まれた施設で練習できる私立高校に比べ、公立高校は様々な面で不利な環境にあることは否めない。無論、甲子園を目指すのに私立であろうが、公立であろうが関係はない。しかし、公立高校には、私立高校にはない工夫が求められるのは間違いない。

 例えば、私も高校時代に練習試合で使用したが、進学校の今治西のグランドは他の部と共用だ。私の母校もサッカー部と共用の為、内外野の連携やフリー打撃などは、サッカー部と時間をずらす等のにらめっこだった。練習試合も自校のグランドは到底使えず、遠征するか、市営球場を使用するかのどちらかだ。

 佐賀北は、1回戦の前夜もいつも通り勉強をして試合を迎えた。岩国の選手達も決してエリート集団ではない。

 3回戦に残った16校中、公立高校は佐賀北、前橋商、今治西と既に3校しか残っていない。夏の大会の公立校の優勝は11年前の78回大会の松山商以来出ていない。

 近年、私立の新鋭校の台頭等で、ますます公立校受難の時代となっているが、伝統校には意外に公立校も多い。
 
 ベスト8をかけた3回戦。創意工夫や集中力等を駆使して立ち向かうこの3校にも注目したい。

 今日の第1試合、1塁側、3塁側アルプスに掲げられた横断幕に踊る「県立」の文字を見ていると、ふとこんなことが気になった。
​(了) 

ホームランもいいが3塁打のスリルもたまらない。
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8/15/2007 0 Comments

第89回全国高等学校野球選手権大会8(2007年夏)

第8日2回戦

大会第8日 8月15日(水)の試合結果
―2回戦―
①今治西1-0近江 ②智弁学園5-2仙台育英 ③帝京9-2神村学園 ④新潟明訓2-1甲府商(延長12回)
☆今日の本塁打・・・・神村学園・鶴田(大会第14号)、新潟明訓・長橋(第15号)


☆今日の甲子園!☆
 スタンドから溢れんばかりの5万人の大観衆が熱戦を見守った大会第8日。第1試合途中、9時40分には満員通知が出て、球場外では、「満員の為、球場には入れません」というアナウンスが流れた。
 
 第1試合は息詰まる投手戦。両チーム無得点で迎えた6回裏、今治西は1死2塁から5番笠原の左前適時打で1点を先制すると、エースの熊代が140キロ前後の直球と切れのいいスライダーを散りばめ2安打完封し虎の子の1点を守りきった。近江も得意の継投が決まり相手打線を1点に抑えたが打線が最後まで熊代を攻略できなかった。熊代の好投で辛くも勝利した今治西は無死1塁からの犠打を3度失敗する等、攻撃に課題を残した。

 第2試合は154キロ右腕・佐藤由規擁する仙台育英と智弁学園の対戦。序盤仙台育英・佐藤由の速球に押されていた智弁学園は、5回裏、制球を乱した佐藤由から四死球と安打で1死満塁の好機をつくると、1番佐藤が右越2塁打し2点を先制。続く2番稲森も二遊間を破りさらに2点を追加。その後も四球に2安打を絡め1点を加点し、一挙に5点を奪った。智弁投手陣のコーナーワークにかわされていた仙台育英は9回にようやく3安打で2点を返したが反撃が遅すぎた。注目の仙台育英・佐藤由は、本調子ではない中、4回には155キロを出す等力投したが、制球を乱した5回の5失点が悔やまれる。

 第3試合は、打線好調の帝京と下手投げの好投手・盛を擁する神村学園の対戦。神村学園は初回、制球に苦しむ帝京先発・高島から4番鶴田の左翼への2点本塁打で先制。しかし帝京は3回、長短打5本で6点を取り逆転すると、7回にも7番杉谷翔、8番高津の連続長打で1点、8回にも4番中村の適時打で1点を取り試合を決めた。帝京先発の2年生・高島は初回制球に苦しんだが、最速148キロの直球にスライダーを有効に使い2回以降は無失点に抑え完投した。

 第4試合は今大会5試合目の延長戦。甲府商は初回、6番市川の適時打で1点先制したが、新潟明訓も4回に3番長橋の左越ソロ本塁打で同点とした。以降は、両投手陣が踏ん張りゼロ行進が続いたが、ようやく延長12回に新潟明訓が相手失策で1点を勝ち越し逃げ切った。1回戦14奪三振の新潟明訓・エースの永井はこの試合は5回途中から登板し11奪三振。負けはしたが、甲府商・エースの米田も14被安打したが、味方の4失策も出る中、粘り強く最後まで投げきった。


☆今日のKAIスポ・コラムは?!☆
“みちのくのドクターK”が甲子園に残したもの!


☆大会第9日 8月16日(木)の試合予定☆
―2回戦(数字は出場回数)-
①宇治山田商(三重・3)-佐賀北(佐賀・2)〔再試合〕 ②創価(西東京・5)-大垣日大(岐阜・初) ③東福岡(福岡・4)-広陵(広島・18) ④青森山田(青森・8)-聖光学院(福島・4)

​

155キロが甲子園に残したもの (仙台育英・佐藤由規)

初戦、最速154キロの速球を武器に強打の智弁和歌山打線から17三振を奪った仙台育英のエース・佐藤由規。奪三振の相手が智弁和歌山であることが彼の実力を代弁する。実力は松坂に匹敵、いや松坂以上と評価するプロ野球スカウトさえいる逸材を一目見ようと甲子園は超満員で膨れ上がった。

 1回裏、マウンドにあがる佐藤の投球練習から5万人の視線は小高に立つグレーのユニフォームに釘付けだった。立ち上がりからコンスタントに150キロ近い速球を投げ、観衆の視線は、佐藤のボールがキャッチャーミットに収まる毎にスコアボードの球速表示へと移った。

 4回裏、智弁学園2番・稲森に対した2球目。この試合初めて150キロが表示され、観衆のどよめきを誘うと、こんなものではないとばかりにその瞬間はやってきた。続く3球目。155キロの直球が捕手・一丸のミットを突き上げると、甲子園はどよめき、そして拍手が沸き起こった。

 本塁打や安打が飛び出したときのものでもない。逆転劇が起こったときのそれでもない。
 18.44メートルを白球が155キロですり抜けたという事実へのどよめきとそれを生み出した佐藤への敬服の拍手。
 特別な瞬間を5万人が共有し、自然発生した、他のどんな場面とも似つかない、そしていかんとも表現しにくい雰囲気だった。

 今日、その佐藤が甲子園に姿を見せてから涙で球場をあとにするまで、佐藤の名前を呼ぶ子供達の多さに驚いた。おそらくマスコミは155キロに話題が集中するだろう。しかしそれはその場に居合わせた大人の一瞬の衝撃であり娯楽にすぎない。私もそうだったように子供達はその時代時代の甲子園のスターに憧れ野球を始め、野球を続ける。多くの球児が桑田、清原に、松坂に憧れたように。結果だけみれば、2回戦で早々と甲子園を去ったドクターKが甲子園に残したもの。それはこの瞬間を共有した子供達にとっての長く響き渡る野球への原動力だろう。
(了)

好きだから疲れる夏
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8/14/2007 0 Comments

第89回全国高等学校野球選手権大会7(2007年夏)

第7日2回戦

大会第7日 8月14日(火)の試合結果
―2回戦―
①日南学園9-6桐光学園(延長11回) ②前橋商2-1浦和学院 ③宇治山田商4-4佐賀北(延長15回引き分け) ④文星芸大付5-2興南
☆今日の本塁打・・・・日南学園・中本(大会第12号)、文星芸大付・荒井(第13号)


☆今日の甲子園!☆
 今日で出場49校全てが登場した大会第7日。延長戦2試合、うち1試合が延長15回引き分け再試合となる熱戦に沸いた。

 第1試合は2対2のまま今大会3試合目の延長戦に。日南学園は10回表、1死満塁から7番酒井の適時2塁打で3点を奪い、勝負あったかに思われたが、その裏桐光学園は、1点を返して尚1死2、3塁とし4番上田の適時2塁打で2点追加し追いついた。11回表、日南学園は中本の本塁打を含め4安打に相手失策もあり4点を取り再度突き放し、その裏の粘る桐光の攻撃を1点に抑え3回戦進出を決めた。負けはしたが桐光学園の粘りも見事だった。

 第2試合は群馬・前橋商と埼玉・浦和学院の隣県対決。5回に1点づつを取り合って迎えた8回表、投手・佐々木の適時2塁打で1点勝ち越した前橋商が、投げてもエース・佐々木が何度もピンチが続く中、粘り強く投げ1失点完投した。浦和学院は再三走者を出すものの残塁11と後1本が出なかった。

 第3試合は、今大会49番目に登場した宇治山田商と開幕試合を勝った佐賀北の対戦。佐賀北は初回、初戦で本塁打を放った副島の右前適時打等で2点を先制。宇治山田商の反撃は5回。2死満塁から4番中井が右翼線適時3塁打等で4点を取り逆転した。追うかたちになった佐賀北は、直後の6回、投手馬場の代打・新川の適時打で1点、7回にも6番田中の適時打で1点を取り4対4の同点とし、そのまま今大会4試合目の延長戦に突入した。延長に入ってからは、両チーム中盤から代わった佐賀北・久保、宇治山田商・中井の両エースが踏ん張り、15回まで得点を許さなかった。同点となって以降、両投手、両守備陣がよく守ったすばらしい試合だった。尚、再試合は、あさって大会第9日(8月16日)の第1試合に組み込まれた。

 第4試合は、文星芸大付と興南の対戦。初回に1点を先制された文星芸大付はその裏、5番板橋の適時打ですぐに追いついた。5回には1番荒井の右翼へのソロ本塁打で1点追加。6回、8回にも1点づつ加点し突き放した。文星芸大付のエース佐藤は、10奪三振の好投。興南は、初回に先制して以降は文星・佐藤に抑えられ、9回に1点を返すにとどまった。


☆今日のKAIスポ・コラムは?!☆
毎日熱戦の続く甲子園。出場49校の初戦の戦いぶりを振り返る。


☆大会第8日 8月15日(水)の試合予定☆
―2回戦(数字は出場回数)-
①近江(滋賀・9)-今治西(愛媛・10) ②仙台育英(宮城・20)-智弁学園(奈良・14) ③帝京(東東京・10)-神村学園(鹿児島・・初) ④甲府商(山梨・3)-新潟明訓(新潟・5)

初戦を振り返って

今日で出場49校全てが甲子園に登場した。初戦の戦いぶりを振り返る。
 

 今日、最後に登場した宇治山田商対2戦目となる佐賀北の試合を含め、初戦の1、2回戦25試合で目を引くのは接戦が多いことが挙げられる。1点差6試合、2点差7試合、3点差2試合と3点差以内の試合が計15試合、4点差以上の試合が9試合の内訳だった。そのうち延長戦が4試合に上った。特に、延長戦では表の攻撃で2点以上開いても、その裏に取り返す試合もあり、後がない中での粘り強さが目を引いた。昨年の初戦25試合の内訳は、3点差以内が13試合、4点差以上が12試合だった。

 今大会は例年に比べ初出場校が4校と少なかったが、初出場対決となった神村学園対金光大阪戦を含めて3校が初戦を突破した。初戦を突破した神村学園と大垣日大は選抜準優勝経験があり、楊志館は昨秋の明治神宮大会優勝、今選抜にも出場している高知を破っての初勝利と、初出場とはいえ上位を伺う力のあるチームだ。昨年は、初出場6校のうち、3校が初戦を突破。うち鹿児島工が準決勝まで勝ち進んだ。

 選抜出場組では、9校のうち優勝した常葉菊川など7校が初戦を突破した。 

 また本塁打は12本で昨年は27本だったことを考えると、今春から使用を始めた低反発球の影響とここまでは投手の活躍が目立っている印象だ。

 1試合を終えて、本塁打の少なさがみられるように、好投手がその実力を発揮した。154キロを計測した仙台育英・佐藤、打撃でも注目される今治西・熊代、長身の下手投げ神村学園・盛、14奪三振の新潟明訓・永井、春から球速が増した大垣日大・森田、スライダーの切れがいい広陵・野村、重い直球に威力のある京都外大西・本田、最速147キロの楊志館・甲斐、選抜優勝投手の常葉菊川・田中等、今後の投球にも注目だ。
​(了)

怪物が甲子園で生まれる。
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8/13/2007 0 Comments

第89回全国高等学校野球選手権大会6(2007年夏)

第6日2回戦

大会第6日 8月13日(月)の試合結果
―2回戦―
①京都外大西5-3常総学院(延長12回) ②開星3-1徳島商 ③楊志館6-4高知 ④常葉菊川12-4日大山形
今日の本塁打・・・・常葉菊川・長谷川(大会10号・11号)

☆今日の甲子園!☆
 第1試合、第2試合途中でヒートアップする試合を冷ますかのように雨が降った大会第6日。今日も延長戦ありと見ごたえのある試合が行われた。

 第1試合は一昨年の準優勝校、京都外大西と85回大会優勝校、常総学院の試合は延長12回までもつれ込んだ壮絶な熱戦となった。両投手陣の好投で両校無得点のまま延長に。10回に1点づつ、11回に2点づつを取り合って迎えた12回も2点をあげ、三度突き放した外大西がその裏をエース本田が抑え、激戦を制した。常総は9回まで押し気味に試合を進めたが7回無死満塁で得点できなかったのが痛かった。しかし常総学院も一人で投げぬいたエース清原が9回までは1安打に抑える好投に加え、延長に入り2度追い付いた粘りは見事。両校の守備もよく鍛えられており締まった好試合だった。

 第2試合は甲子園初勝利を目指す開星と2年連続出場の古豪・徳島商の対戦。開星は1対1の同点で迎えた8回表、3連打で1点を勝ち越すと、9回表にも4番早戸の適時打で突き放し3対1で徳島商を下し、うれしい甲子園初勝利。

 第3試合は、春夏連続出場の高知と初出場・楊志館(大分)の対戦。楊志館は、2回無死満塁から7番荒巻の走者一掃の適時3塁打で3点を先制。その後も終始リードして試合を運び、強豪・高知に競り勝った。楊志館は、今大会注目投手、エース・甲斐が140キロ前後の速球とスライダーを武器に強気の投球が光り、終盤の高知の追い上げも振り切った。

 第4試合の春夏連覇を目指す常葉菊川と昨夏ベスト8の日大山形の対戦は、地力に勝る常葉菊川が長谷川の2本塁打等12点を奪い、まずは初戦突破。エース田中は8回を投げ11奪三振。昨夏山形県勢初のベスト8進出を果たした日大山形は、昨夏も経験したエース安部が常葉菊川の強力打線に捕まった。
甲子園は明日で出場49校全てが登場する。


☆今日のKAIスポ・コラムは!?☆
激闘延長12回!京都外大西対常総学院!!


☆大会第7日 8月14日(火)の試合予定☆
―2回戦(数字は出場回数)-
①桐光学園(神奈川・3)-日南学園(宮崎・5) ②前橋商(群馬・4)-浦和学院(埼玉・9) ③宇治山田商(三重・3)-佐賀北(佐賀・2) ④興南(沖縄・7)-文星芸大付(栃木・10)
​

野球の妙 ( 京都外大西 対 常総学院 )

9回裏、突然の雨が球場を襲う。雨は、炎天下で乾き荒れたグランドを濡らし、灼熱に火照った選手の体を冷やす。これから起こる延長戦の熱闘を前にその舞台を整えるかのごとく、あるいは、全くストーリーの違う第2章の幕開けを告げるかのごとく。


 10回表、外大西の攻撃。それまでの9イニングで長打など打てる気配もなかった打線に2本の2塁打が飛び出し待望の1点をもぎ取る。

 10回裏の常総学院。外大西・本田の前に先頭の8番飯田がセカンドゴロに倒れ1死。歓声の上がる3塁側外大西アルプス。球速は140キロ弱ではあるが、浮き上がるような本田の重い速球に「もはや常総これまでか」といった雰囲気が球場を包む。しかし、外大西に起こった奇跡は十数分後には常総にも起こる。9番藤原が左翼線を破る2塁打を放つ。1番鈴木朝が倒れ2死2塁になったところで持丸監督が動く。
茨城大会2本塁打でチーム1の信頼を得る2番佐藤に代え、茨城大会2打数しかない宮本をバッターボックスに送る。代えられた佐藤は納得できない表情でベンチに退く。だれもが首をかしげる采配はその数分後、常総ベンチとアルプスを歓声とガッツポーズに変える。
偉大な木内前監督を引き継ぎ、しばらくそのプレッシャーに悩んだ持丸監督が見せた木内マジックならぬ持丸マジックが的中した瞬間だった。


 11回表、外大西。投手の本田が自ら放った左前安打を皮切りに、常総・清原のワイルドピッチと四球で1死1、3塁と好機を広げ2番内山が値千金の適時3塁打し、2点勝ち越す。常総の息の根を止めるかのように1点で駄目ならと2点を加えた。


 11回裏、常総学院。重い重い2点の重圧はベンチならず、1塁側スタンドの観衆をも包みこむ。しかし、この回先頭の4番・島根の打球がきれいな放物線を描くと重圧から予感に変わる。島根の2塁打に6番中村の2塁打で1点を返し尚も1死2塁。ここで、過去4打席、ピッチャーゴロ2つに2三振と全くタイミングのあっていない投手・清原が内野安打し、その後のスクイズで予感は現実に変わった。


運命の12回。 


 12回表、外大西。これまで無安打の4番辻が三遊間を破る。1死後、6番古屋の三塁ゴロで2年生・宇津木が2塁へ悪送球。2、3塁のピンチに広がった。悪送球した三塁手の宇津木は持丸監督が10回裏に万を辞して送った代打・宮本に代わり11回から守備についていた。

併殺の期待から更なるピンチへ。時間にして数秒間の心理的シーソー。常総学院にとっては誤算だった。 
その後、外大西はみたび勝ち越し、試合を決めた。
​(了)
100年経っても変わらない感動がある。
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8/12/2007 0 Comments

第89回全国高等学校野球選手権大会5(2007年夏)

第5日1-2回戦

大会第5日 2007年8月12日(日)の試合結果
―1回戦―
①青森山田5-0報徳学園 ②聖光学院11-7岩国 
―2回戦―
​③長崎日大3-1星稜

今日の本塁打・・・・なし

☆今日の甲子園!☆
第1試合途中からほぼ観衆がスタンドを埋めた大会第5日。第3試合から2回戦に入った。

第1試合は春夏連続出場の地元兵庫の報徳学園と4年連続出場の青森山田が対戦。5回まで緊迫した投手戦が続いたが中盤以降青森山田打線が報徳投手陣を捕らえ5点を奪った。投げてはエース石井がコーナーをつく粘りの投球で完封。報徳はエース近田が7回途中足を痛め降板。代わった福島も流れを止められず、打線も青森エース石井を最後まで捕らえられなかった。報徳は春に続く初戦敗退。青森山田は昨夏に続く初戦突破。

第2試合は打撃戦。聖光学院が18安打11点の猛攻で岩国を振り切った。岩国も9回4点を返し4点差まで詰め寄ったが、6失策と大量失点が響いた。

第3試合は1点を追う長崎日大が6回に3連打を集め逆転。7回にも相手バッテリーのミスから1点を加え試合を決めた。星稜は先制して勢いにのるかと思われたが守りのミスが失点に結びつき、攻撃も長崎日大・浦口に要所を締められた。


☆今日のKAIスポは!?☆
今日は3塁よりで視察したが3試合とも3塁側のチームが敗退した。しかし、甲子園は敗者にこそ温かい。


☆大会第6日 8月13日(月)の試合予定☆
―2回戦(数字は出場回数)-
①常総学院(茨城・11)-京都外大西(京都・8) ②徳島商(徳島・22)-開星(島根・5) ③楊志館(大分・初)-高知(高知・11) ④常葉菊川(静岡・2)-日大山形(山形・15)

高校野球を愛する人達 ( 報徳学園・岩国・星稜 )

バックネットの3塁よりで戦況を見つめた今日は3試合とも3塁側ベンチに陣取ったチームが負けた。プロ野球と違い高校野球は1日に3試合から4試合が行われるため、観衆の座るサイドのチームも入れ替わるが甲子園は負けたチームにこそ温かい。

 第1試合に登場した報徳学園は地元兵庫のため、失点を重ねる毎にスタンドの落胆やいらだちも大きかったが、9回の攻撃前、敗戦が決まった瞬間には、大きな拍手と「よくやった」の声が飛びかった。

 6失策に被安打18と厳しい劣勢を強いられた岩国。8回終了時点で8点差がついた。8回の守りを好プレーで終えてベンチに戻ってくる選手に3塁側スタンドから「あきらめるな」と言わんばかりの拍手の嵐。そんな想いが後押ししたかのように岩国は9回に3長短打を絡め4点を返す粘りを見せた。あきらめない姿を応援するスタンドは3塁側スタンドが全てアルプススタンドと化したかのようだった。試合後も何度も大きな拍手が純白の岩国ナインを包んだ。

 9年ぶりに登場した星稜。名門らしからぬミスが敗因となったが、スタンドは温かい拍手で励まし、久しぶりに帰ってきた黄色のユニフォームを讃えた。

 今日負けた3チームに共通するのはエラーやミスが大きな敗因だったこと。しかしミスを責めるよりも逆転を信じてあきらめない気持ちこそが数々の名勝負を生み出したことをファンは知っている。地域を越えて負けているチームを応援し、負けたチームの頑張りを讃える。

負けたら終わりの高校野球にはそんな温かい文化が育まれている。
(了)
球児の一生懸命を応援する、
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8/11/2007 0 Comments

第89回全国高等学校野球選手権大会4(2007年夏)

第4日1回戦

大会第4日 2007年8月11日(土)の試合結果
―1回戦―
①創価3-1愛工大名電 ②大垣日大2-1金足農 ③東福岡4×-3桜井(延長11回) ④広陵5-4駒大苫小牧
今日の本塁打・・・大垣日大・大林(大会第9号)

☆今日の甲子園!☆
今大会初の土曜日とあって朝からたくさんの観客が詰め掛けた第4日。兵庫県豊岡市で全国最高気温38.6度を記録する猛暑を吹き飛ばす大接戦の4試合となった。
 
 第1試合は創価が初回に挙げた3点をエース勘米良の緩急をつけたピッチングで守り切った。名電は倉野監督夏初勝利を目指したが5回目の挑戦も阻まれた。

 第2試合はセンバツ準優勝の大垣日大が苦しみながらの初戦突破。金足農は3回に先発高橋が打球を鎖骨に受け、負傷退場のアクシデントもその後の投手陣が踏張ったが秋田県勢10年ぶりの初戦突破はならなかった。

 第3試合のお互い甲子園初勝利をかけた戦いは今大会初の延長戦に。9回裏二死から同点に追い付いた東福岡が11回に押し出し四球を選びサヨナラで桜井を下した。東福岡は福岡大会から通算して6試合目の逆転勝ち。

 第4試合は昨夏準優勝の駒大苫小牧と選抜ベスト8の広陵の激突。広陵は1点差で迎えた9回表山下の適時打で同点とし、続く林の内野安打が駒苫の守備の乱れを誘い2点を追加し逆転勝ち。史上初の4年連続決勝進出を狙った今年の駒苫は初戦で姿を消した。


☆今日のKAIスポは!?☆
アクシデントに北の王者敗退。見所満載、今日の甲子園!


☆大会第5日 8月12日(日)の試合予定☆
―第1、2試合は1回戦。第3試合から2回戦。 数字は出場回数-
①青森山田(青森・8)-報徳学園(兵庫・12) ②聖光学院(福島・4)-岩国(山口・4) ③長崎日大(長崎・7)-星稜(石川・15)
​

アクシデントを乗り越え(金足農・桜井)

今日は2校の先発投手が突然負傷交代するアクシデントがあった。

金足農の先発ピッチャーの2年生・高橋は、4回途中、大垣日大の4番大林の痛烈なライナーを鎖骨に受け、のけぞるように倒れこんだ。

​乾いた打球音が球場全体に響いた次の瞬間、今度はどよめきがマウンドを包んだ。高橋は投手としての本能か、すぐ落ちた球を座ったまま1塁に投げアウトにしてみせたが、その後、起き上がることなく担架で運び出され、救急車で病院に向かった。交代でマウンドに上がったのは、今野と浅野の3年生投手陣。突然のマウンドに今野は制球を乱す場面もあったが、選抜準優勝の大垣日大打線を二人で1失点に抑え込んだ。負傷退場の後輩が残したマウンドを先輩達がしっかりと守った。 

好投していた桜井の3年生エース・上島は7回途中足の痛み(肉離れ)を訴え、降板。

2年生の長川原に後を託した。急遽登板の長川原は、130キロ後半の直球で東福岡打線に挑み、勝利まで後一歩まで迫りながら最後は押出し四球で力尽きた。富山大会2試合2イニングしか投げていない長川原を誰も責めることはできまい。

突然襲った大黒柱のアクシデント。しかし、マウンドは先輩から後輩へ、後輩から先輩へ引き継がれた。先輩は後輩のために、後輩は先輩のために。そんな絆を感じさせるシーンだった。
(尚、金足農・高橋はその後の検査で骨に異常がないことが確認された。)
(了)

北の王者、随所に風格(駒大苫小牧)

86回・87回大会連覇、昨年の88回大会準優勝。ここ3年高校野球界を席捲し続けていた駒大苫小牧。

今年のチームは、新チームで挑んだ昨年の秋季大会でコールド負けからの出発したチーム。しかし、過去の功績は忘れ、徹底してゼロから鍛えなおし、見事5年連続の出場を果たした。史上初の4年連続の決勝進出の夢は破れ、今年は短い夏になったが、随所に王者の風格を漂わせた。

6回表広陵・櫟浦の中前適時打で2人目の生還は許さず、捕殺してみせた。また、走塁ではシングルヒットでも一塁を回ってすきあらば2塁を伺う動きを見せた。明らかに他のチームよりも1塁を蹴って数歩2塁よりにプレッシャーをかけていた。

守りでは1点でも防ぎ、攻撃では1つでも先を伺う。こういったすきのなさは相手に心理的なプレッシャーを与える。テレビでは伝わらない部分だが、そんな細かいこだわりは、PL学園をも彷彿とさせる。

​初戦敗退も香田監督が言う「偉大な先輩たちから受け継いだもの」は甲子園の観衆には伝わったはずだ。
​(了)

野球が好き、甲子園が好き。
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8/10/2007 0 Comments

第89回全国高等学校野球選手権大会3(2007年夏)

第3日1回戦

大会第3日 8月10日(金)の試合結果
―1回戦―
①帝京7-1駒大岩見沢 ②神村学園6-3金光大阪  ③甲府商14-1境 ④新潟明訓1-0花巻東
◎今日の本塁打・・・神村・小原(大会第7号)、甲府商・渡辺(第8号)

☆今日の甲子園!☆
地元大阪勢が登場した大会第3日。

大阪大会決勝で大阪桐蔭を破り注目を集めた初出場・金光大阪は第2試合で同じ初出場の神村学園と対戦。4回に小松の適時打で先制する等、前半は3対0と主導権を握った金光大阪だったが、6回に神村学園に守備の乱れに3安打を絡められ4点を献上。8回には金光・エース植松をリリーフした弓削が神村・小原に大会第7号ソロ本塁打を浴びる等追加点を奪われ、初戦で姿を消した。

第1試合は選抜4強、今大会も上位を狙う帝京が持ち味の打撃が好調。エース垣ヶ原も10奪三振で応え7対1で駒大岩見沢に快勝。

第3試合では実に44年ぶりに出場を果たした甲府商が18安打の猛攻で境を圧倒。甲府商は、44年前は元巨人の堀内恒夫氏を擁して3回戦まで進出したが当時は西宮球場との併用だった為、甲子園での試合・勝利は今大会が初めて。

第4試合は、引き締まった投手戦。5回に奪った1点をエース永井の毎回14奪三振の力投で守りきった新潟明訓が44年ぶりの勝利を目指した花巻東を破り2回戦進出を決めた。


☆今日のKAIスポは!?☆  
全国2位の187校が参加する激戦地区・大阪を制して初出場した金光大阪。中田を擁した大阪桐蔭の3連覇を阻止し一気に全国区に躍り出た。しかし、その陰で・・・。


☆大会第4日 8月11日(土)の試合予定☆
―1回戦― 数字は出場回数
①愛工大名電(愛知・9)-創価(西東京・5) ②大垣日大(岐阜・初)-金足農(秋田・5) ③東福岡(福岡・4)-桜井(富山・4) ④駒大苫小牧(南北海道・7)-広陵(広島・18)

夢はライバルとともに(金光大阪)

今年の大阪大会の話題は、大阪桐蔭の中田一色だった。

高校通算87本塁打の最多本塁打記録を引っさげ、桑田・清原を擁したPL学園以来の大阪大会3連覇への期待がかかった。その中田を、大阪桐蔭をこの3年間強くライバル視し、最後の夏に甲子園を掴んだのがエースの植松であり金光大阪だった。

1年時、既に甲子園で投打に活躍する中田を見て「中田を倒して大阪で優勝して甲子園に行こう」と決意。その植松擁する金光大阪は甲子園のかかる大会で過去3度大阪桐蔭と合いまみえた。1度目は2年の夏の決勝戦。先発した植松は中田を4打数無安打3三振に抑えるがチームは延長12回の末敗退。2度目は選抜を狙う2年秋の大阪大会準々決勝。4打数無安打1三振に抑えるもチームは敗退。

そして中田一色の大会の様相を呈したこの夏。最後のライバル対決は2年連続の決勝戦。ライバル中田に勝ったが甲子園への勝負に負けた過去2度。それは手にしかけた甲子園への切符が大阪桐蔭に奪われたことを意味する。

この春、植松は打倒・中田を意識して走り込みをし過ぎてグランドに倒れた。満身創痍で挑んだ最後の挑戦は中田にも勝ち(5打数無安打)、チームとして甲子園の切符も手に入れた。187校の激戦区・大阪から初出場した金光大阪。強烈な輝きを放ち甲子園を去った。
​(了)

この夏、4,081のストーリー
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8/9/2007 0 Comments

第89回全国高等学校野球選手権大会2(2007年夏)

第2日1回戦

大会第2日 2007年8月9日(木)の試合結果
―1回戦―
①近江9-3松商学園 ②今治西12-1八代東 ③仙台育英4-2智弁和歌山 ④智弁学園12-2尽誠学園
今日の本塁打・・・近江・川村(大会第3号)、智弁和歌山・坂口(第4号)、智弁学園・関本(第5号・第6号)


☆今日の甲子園!☆
154キロの剛速球に沸いた大会第2日。

第1試合は12安打を放った近江が最多出場の松商学園に快勝。
第2試合は投打にプロ注目の熊代の活躍等で今治西が八代東に大勝。
第3試合は1回戦屈指の好カード。今大会ナンバーワン右腕・佐藤擁する仙台育英と昨夏4強の智弁和歌山の対戦は、仙台育英が終盤粘る智弁和歌山を振り切った。注目の佐藤は154キロの速球と切れのいいスライダーを武器に強打の智弁打線から17奪三振。智弁和歌山も6回に坂口の本塁打で同点に追いたが終盤力尽きた。
第4試合は相手失策や関本の2本塁打等で畳み掛けた智弁学園が大量点で尽誠学園を退けた。

☆今日のKAIスポは!?☆

甲子園球場には隣接する神社がある。甲子園の歴史を知る神様は球児の夢と希望を受け止める。

大会第2日 8月8日(木)の試合予定

―1回戦―
①駒大岩見沢(3)-帝京(10) ②神村学園(初)-金光大阪(初) ③甲府商(3)-境(7) 
④花巻東(4)-新潟明訓(5)

甲子園の神様

甲子園球場に隣接する甲子園・素盞嗚神社(こうしえん・すさのをじんじゃ)。

創建の年代は不詳だが、300年有余年前と推測されているこの神社は、甲子園の誕生からその歴史を見守っている。1924年(大正13年)の甲子園球場建設とともに白砂青松のお宮も近代化の一途をたどり、今では別称甲子園神社やタイガース神社とも呼ばれる。

私は時々休日に甲子園球場を散歩しているが、いつも甲子園神社にも立ち寄る。野球の季節ではなくても、甲子園出場を願う願掛け絵馬が掛けられている。選手、マネージャー、息子の出場を願う母親等、それぞれの甲子園への強い想いがつづられている。

毎年、地方大会に参加する4000を超える学校の中で、夢舞台に立てるのはたったの49校。甲子園の神様もさすがに全ての夢を叶えることは到底できないが、それでも、私から神様に叶えてもらいたい一つの願い事がある。それは、球児達に怪我なく最後の夏を迎えさせてあげてほしいということ。投手として右肘を故障し苦汁をなめた元球児からのたった一つのお願いだ。
​(了)

球児とともに白球を追う
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8/8/2007 0 Comments

第89回全国高等学校野球選手権大会1(2007年夏)

第1日1回戦

画像
大会第1日 2007年8月8日(水)の試合結果
―1回戦―( )内は出場回数
①佐賀北(2)2-0福井商(18) 
②興南(7)3-2岡山理大付(5)

③文星芸大付(10)5-0市船橋(5)
今日の本塁打・・・
佐賀北・副島(大会第1号)
​岡山理大付・浜野(第2号)


☆今日の甲子園!☆
第89回夏の甲子園が開幕した。今日は開会式と1回戦3試合が行われ、15日間に渡る若人の熱戦の火蓋が切って落とされた。開幕試合は、いきなり完封試合。佐賀北が副島の本塁打等で2点を上げ、投げては馬場、久保が福井商を完封した。第2試合は、追いつ追われるの好ゲームとなったが、8回に決勝点を挙げた興南が岡山理大付に辛勝。第3試合は先制、中押し、駄目押しと効果的に加点した文星芸大付が市立船橋に完封勝ち。文星は昨夏に続く初戦突破。

☆今日のKAIスポは!?☆
甲子園への想いは、選手達だけではない。高校野球をする人、見る人、携わる人、そして高校野球が思い出に変わった人。89回目の夏の開幕。甲子園大会が始まるとそれぞれがそれぞれの想いを寄せ、甲子園を見つめる。

大会第2日 8月8日(木)の試合予定
―1回戦―
①松商学園(34)-近江(9) ②今治西(10)-八代東(3) ③智弁和歌山(15)-仙台育英(20)
④尽誠学園(10)-智弁学園(14)

「それぞれの甲子園」

記者は大阪城近くのとある喫茶店をよく訪ねる。仕事の合間に高校野球をテレビで観戦できるつかの間を過ごす空間だからだ。この春、大阪桐蔭・中田が2本塁打を放った試合もこの喫茶店のテレビで観戦した。

開幕日の今日、喫茶店のおばさんが「野球、始まったね」と声をかけてきた。この春、熱心に野球を見ていた私を覚えていたのだ。実はこのおばさんの息子さんが大阪・上宮で控えの投手として選抜甲子園に出場したという話を聞いてびっくりした。しかし、1年生エースとして秋季大会を勝ち上がったはいいものの肩を壊し、肝心の選抜では背番号10の控え投手として数イニングの登板にとどまったらしい。

選抜大会では「次に当たる四国の強豪校ばかりを気にして目の前の無名校に負けちゃった。四国の学校は本当に強いよねぇ。」と残念そう。私も肘の故障を患った為、その苦しみが一瞬にして頭をよぎった。そうは言っても故障がなければプロへ行けたのではとの問いかけに「私の息子は、身長が低く(173cm)プロへ行けるような選手でなかった」とも。

その後もおばさんは、懐かしそうに当時を振り返って、「練習中は水も飲めず、休日もなくて、息子は歯医者にも行けずよく氷を口元にあてて歯の痛みを和らげていた」と笑いながら話してくれた。

もう息子さんは40歳になるらしい。息子さんを甲子園で応援したのはもう20数年前。おばさんにとって、甲子園大会の訪れは、高校球児だった息子さんと一緒に夢を追った3年間を懐かしむ年に1度の特別な季節なのだろう。

89回目の夏。それぞれの甲子園が幕を開けた。
​(了)

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