メジャーリーガーレジュメ第90回/ WBCプレーヤーズレジュメ: 第76回カイル・フリーランド投手（コロラド・ロッキーズ）: USA代表候補: “抜くボールがあれば復活するはず !!”

■今日のプレーヤー
本日のプレーヤーは、コロラド・ロッキーズの先発左腕、カイル・フリーランド投手だ。フリーランド投手はコロラド州デンバー出身で、2023年のワールド・ベースボール・クラシックにUSAの一員として登板する可能性が高い。

■KAISPOベースボールアナリストコメント
「フリーランド投手はロッキーズを引っ張る先発投手の一人だ。デビューから３年間は４シームとスライダーが大半を占めていたが、2020年以降は5球種を比較的バランスよく配球している。気になるのは通算防御率が高め（４点台）の点だ。豪速球はない分、切れ、制球緩急がポイントとなる投手だが、その中でも、変化球の変化幅をもう少し大きくし、緩急をつけると改善すると考える。実際、曲がりの大きいカーブの被打率が低めになっている。まだまだ可能性を秘めた投手だ。」

■ストーリー
フリーランド投手は、2011年のMLBドラフト35巡目でフィラデルフィア・フィリーズに指名されたが契約には至らず、エバンズビル大学への進学を選択した。その3年後、2014年のMLBドラフト1巡目で今度はロッキーズが全体8位で指名し、この時は契約し、プロの世界に入った。

2017年4月7日、コロラドの本拠地開幕戦の先発としてMLBデビューした。6回を4安打、自責点1、6奪三振とピッチングを好投。ロッキーズはロサンゼルス・ドジャースに2-1で勝ち、キャリア初勝利を獲得した。また、この試合でキャリア初安打も放った。メジャー１年目は28試合の先発を含む33試合、136イニングを投げて11勝11敗、防御率4.10、107奪三振をマークした。

2018年はブレイクアウトシーズンだった。33試合の先発、202回1/3を投げ、ナショナル・リーグ（NL）4位の17勝（7敗）、同5位の防御率2.85を記録し、チームをポストシーズン進出に貢献した。この防御率2.85は、ロッキーズの先発投手としては、ストライキのあった1994年にマービン・フリーマン投手が112投球回で防御率2.80を記録して以来の高記録。さらに、少なくとも162投球回を投げて規定投球回をクリアした投手としてはフランチャイズ史上、ベスト記録となった。

しかし、それ以来、2019年のシーズンのような活躍を再現できていない。しかし、フリーランド投手は再建を続けるロッキーズに欠かせない貴重な左腕として復活が期待される。

■MLB通算成績
2022年シーズン終了時点で、カイル・フリーランド投手はメジャー通算6シーズンで150回の先発を含む155試合828 2/3イニングスを投げて49勝51敗、防御率4.27、641奪三振を記録している。
(MLB No.387  KAISPO No.1567)